1990 Fiscal Year Annual Research Report
精神遅滞児のための性教育プログラムの作成に関する実証的研究
Project/Area Number |
01510157
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
田川 元康 和歌山大学, 教育学部, 教授 (10031808)
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Keywords | 精神薄弱児 / 性教育プログラム / 授業研究 / 実態把握 / 意識調査 / 性意識 |
Research Abstract |
本教育学部附属養護学校性教育研究グル-プの協力を得て、高等部の精神遅滞生徒を対象に、次のような実践的研究を実施した。すなわち、1,生徒の性に関する身体的成熟と意識の調査、および保護者への子どもの性に関する知識・意識の調査を行なった。2,性教育の年間カリキュラムの作成、および一部の単元の授業案を作成し授業の実施と分析評価を行なった。 その結果、1,対象生徒の性に関する身体的成熟と意識は、おおむね健常児と大差のない面が見出だされた。しかし、親の意識には、発達に遅れをもつ障害児を抱えた親ならではの問題点のいくつかが捉えられ、対象児への性教育プログラムの実践には、親への啓蒙や親との連携、あるいは親ぐるみの指導が不可欠であることが示唆された。2.授業実践の分析を通しての精神遅滞児の実態や特性から、特に教材・教具の作成と使用に関して次の点が指摘された。(1)対象児の興味・関心をひくものであること、(2)単純明快であり、かつ応用のきくものであること、(3)五感に訴えるものであること、(4)目に見えない体の部分をイメ-ジ化できるものであること、(5)実際に利用しているものと違和感のないものであること、がそれである。 今後の課題としては、さらに指導計画を強化推進し、授業回数を増やして計量的な分析に耐え得るような資料を集積することが求められよう。
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Research Products
(2 results)