1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01530079
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
飯岡 透 駒沢大学, 経済学部, 教授 (00052449)
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Keywords | レビュ- / 分析的手続 / 保証水準 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は,「研究計画調書」に示したように,主として伝統的な財務諸表監査とレビュ-における会計士による保証の程度の比較研究である。つまり,伝統的な財務諸表監査は適正性監査といわれるように,財務情報について会計士が最高水準の積極的保証をすることを目的として実施されるのに対して,レビュ-は,「財務情報が一般に認められた会計原則に準拠して作成されていなかったということを会計士に信じさせるような事実はなにも認められなかった」という中程度の保証,いわゆる限定保証ないし消極的保証をするものであることを明らかにすることである。そのため,まず会計士の財務情報に対する関与方式について,カ-マイケル,コ-エン委員会報告書,ミルバ-ン及び国際会計士連盟の報告書(「監査及び関連業務に関する国際的ガイドラインの枠組み」)に示された見解を検討し,「異なる種類の保証」という概念を導入して会計士の財務情報に対する関与方式を監査,レビュ-及び調製の3種類に区分すべきことを提唱した。ついで,こうした「異なる水準の保証」という概念を導入するに当っては,いわゆる「監査のリスク・モデルアプロ-チが必要であるとの立場から,監査リスクについてアンダ-ソンや国際会計士連盟のIAG第25号などを手懸りに検討を加え,さらに監査リスクと密接な関連を有する重要性について考察した。そして監査リスクと重要性との間には反比例の関係のあることを指摘し,両者の関連について,1.監査計画立案,2.監査の実施,つまり監査証拠の収集と評価の段階に大別して検討した。その成果として「監査リスクと重要性」(『駒沢大学経済学論集』第22巻4号)と題する論稿を発表した。
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Research Products
(1 results)