1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 東京大学, 理学部, 助教授 (20201379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 道昭 日本原子力研究所, 研究員
吉永 尚孝 東京大学, 大型計算機センター, 助手 (00192427)
吉田 宣章 東京大学, 理学部, 助手 (80182773)
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Keywords | 変形核 / 八重極変形 / アクチナイド核 / トリウム / ス-パ-・ベ-タ-・バンド / ベ-タ・バンド / 荷電分布 |
Research Abstract |
ボゾン・ハミルトニアンを出来る丈、一般性を保って、コヒ-レントな内部固有状態に関する変分によって解くプログラムを作成した。この変分では角運動量及びパリティについての射影を同時に行い、これらの量子数ごとに内部固有状態が求められる。又、ボゾン数の保存も正確に扱われている。さらに、この内部固有状態の上にのっかった、TDA状態をやはり角運動量・パリティを保ちつつ作る。そして、これらの状態間の電磁遷移行列要素・アルファ-移行反応行列要素を計算するプログラムも作成した。 この一組のプログラムによって取り組んだ問題の第一は、A【approximately equal】230のアクチナイド原子核に於ける通常のベ-タ-・バンドと、我々の提唱しているス-パ-・ベ-タ-・バンドの中性子数の関数としての交叉現象である。すなわち、我々の予想では、静的な八重極変形は四重極変形と結合して、K=0^-バンドの約2倍の励起エネルギ-の所に、ス-パ-・ベ-タ-・バンドを発生させる。中性子数の変化によって、静的な八重極変形の大きさも変化し、実際、A.apprxeq.230のトリウム・アイソト-プでは、それは徐々に減少する。すると、K=0^-バンドの励起エネルギ-では上昇し、それとともに,ス-パ-・ベ-タ-・バンドの励起エネルギ-も上昇する。すると適当な中性子数の原子核の所で通常のベ-タ-・バンドと交叉する。この現象をかなり定量的に説明するのに成功し、アクチナイド原子核での八重極変形についての相転移の新たな知見を得た。 その他、原子核の荷電分布の拡がりについて、s-d-gボブレ模型を用いて研究し、四重極変形の成長との関係について明らかにした。
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