1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540267
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 迪助 新潟大学, 理学部, 助教授 (20018881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与那城 勝那 新潟大学, 教養部, 教授 (10045164)
橘 文夫 新潟大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60092706)
岡崎 秀雄 新潟大学, 教養部, 教授 (60018265)
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Keywords | 超イオン導電体 / 超格子 / イオン伝導度 / シミュレ-ション / 拡散係数 / 界面波 / 集団運動 / 沃化銀 |
Research Abstract |
1)厚みゼロの超イオン導電体とイオン結晶のヘテロ構造を多層に積み重ねた人工物質を考え、系の誘電関数、イオン伝導度、それらの和則、集団運動等が調べられ、系の集団励起であるプラズマ波の分散に系の構造を反映した特徴が現われた。さらに超イオン導電体層の厚みを有限にとった場合の上記の系について調べられ、超イオン導電体とイオン結晶との界面を伝わる界面波の分散式が得られた。 2)上記の研究を発展すべく、AgIとAg_2Sとを層状に積み上げたモデル物質を想定し、この系に対して体積一定の計算機シミュレ-ションを実行した。650KでAgI、Ag_2S単体のシミュレ-ションを実行し、イオンの度分布、拡散係数が実験値に合うようにモデルポテンシャル中のパラメ-タを決めた。2つの単体系のイオン伝導度は各々1.22(Ωcm)^<-1>、1.45(Ωcm)^<-1>であった。超格子系での計算結果は以下のように得られた先ずc軸方向にAgI部分は圧縮され、Ag_2S部分は伸びた。またc軸方向沿ったAgの密度分布については、Ag_2S部分のおよそ3%(8個)のAgがAgI部分に移動し、電気二重層を形成する形で界面近くに分布しているこれらの構造の変化は輸送係数にも現れ、AgI部分の拡散係数はAgI単体の場合に比べて40〜50%減少し、Ag_2S部分のそれはAg_2S単体の場合に比べて30%ほど増大した。このことはAgI部分が縮み、拡散しにくくなり、Ag_2S部分は伸びたことにより拡散しやすくなったものと推測される。イオン伝導度は1.65(Ωcm)^<-1>となり、単体系のいずれの場合のイオン伝導度よりも大きい値が実現した。これらの計算にはAgI単体の度分布等に不十分なところがあり、検討されなければならない部分が多々あるが、イオン伝導度の高い人工物質の実現の可能性を残している。
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[Publications] F.Tachibana: "Residence time and density distribution of silver ions in α-Ag_2Te by molecular-dynamics simulation" Phys.Rev.B. 40. 3360-3363 (1989)
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[Publications] M.Kobayashi: "Jump frequency of silver ions for diffusion in α-Ag_2Te" Phys.Rev.B. 40. 9552-9557 (1989)
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[Publications] H.Shimojo: "Ultrasonic Attenuation in Silver Chalcogenides" Solid state Ionics. 37. 61-65 (1989)
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[Publications] M.Aniya: "Collective Excitations in Fast Ion Conductor Superlattice" Appl.Phys.A. 49. 641-646 (1989)
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[Publications] T.Tomoyose: "Dynamical properties of layered superionic conductors" Phys.Rev.B. (1990)
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[Publications] M.Kobayashi: "Ionic Motion in Superionic superlattice" Solid State Ionics. (1990)