1989 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄及びセレンの特性を利用したクムレン類の新規化学修飾法の開発とその応用
Project/Area Number |
01540409
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時任 宣博 東京大学, 理学部, 助手 (90197864)
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Keywords | 1,2,3-ブタトリエン / 環状ビスクムレン / 環状ポリカルコゲニド / チオケテン / 1,2,3,4,5-ペンタテトラエン / アレンエピスルフィド / シクロペンテンチオン / 共役チオカルボニル基 |
Research Abstract |
1.1,2,3-ブタトリエン類の硫化及びセレン化;従来より研究を進めてきたクムレン類の累積二十結合の化学修飾法の更なる拡張・発展を目的とし、今回新たにアリ-ルアルキル非対称置換の1,2,3-ブタトリエンや特異な反応性が期待される環状ビスクムレン構造を有するシクロドデカ-1,2,3,7,8,9-ヘキサエン誘導体を合成し、単体硫黄及びセレンとの熱反応を検討した結果、これまで単離例のない環状スルフィドである1,2-ジチオロ-[5,4-d]-1,2-ジチオ-ル誘導体や、特異なポリスルフィド架橋構造を持つベンゾシクロオクタトリエン誘導体を安定に合成単離することに成功すると共に、X線結晶構造解析により得られた新規な環状ポリスルフィドの分子構造を詳細に検討した。また、1,2,3-セレナジアゾ-ル類の硫化並びにセレン化も併せて検討し1,2,5-チアジセレノ-ルをはじめ種々の新規な環状ポリカルコゲニドを合成することに成功した。 2.ヘテロクムレン類を基質に用いる分子変換;種々のチオケテン、セレノケテン類とジアゾ化合物及び不飽和カルベンとの付加反応を行い、一次反応生成物として新規なエピスルフィド類や2-アルキリデン-1,3,4-セレナジアゾリン類を多数合成した。次いでこれらの含カルコゲン小員環化合物の分子の歪を利用した光開環反応による骨格変換や加熱又は光照射による脱カルコゲン化反応を検討した結果、従来非常に合成困難なクムレン結合であった1,2,3,4,5-ペンタテトラエン類の新規な合成法の開発に成功すると共に、アレンエピスルフィド類のルイス酸接触反応ではチオアリルカチオンを経由した骨格変換によりこれまで報告例のない新規なシクロペンテンチオン類を安定な赤紫色結晶として合成単離することに成功し、X線結晶構造解析によりその特異な共役チオカルボニル基の構造を解明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Norihiro Tokitoh: "Formation of Cyclopentenethiones via Cyclization of β-Thioallyl Cations" J.Org.Chem.54. 4660-4663 (1989)
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[Publications] Norihiro Tokitoh: "A Facile Synthesis and Novel Reactions of 1,2,3,4-Pentatetraene Episulfides" Tetrahedron Lett.30. 4271-4274 (1989)
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[Publications] Norihiro Tokitoh: "Competitive Photodechalcogenation of 1,2,5-Thiadiselenole" Tetrahedron Lett.30. 2955-2958 (1989)
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[Publications] Norihiro Tokitoh: "A Novel Formation and Photochemical Reaction of 3,3-Di-t-butyl-3′,3′-diphenyl〔1,2〕dithiolo〔5,4-d〕dithiole" Tetrahedron Lett.30. 4825-4828 (1989)
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[Publications] Norihiro Tokitoh: "Di-t-butylthioketeneS-Bis(alkoxycarbonyl)methylide:Formation,Reactions,and Its Equilibrium with 2-Alkylidene-1,3-oxathiole lsomer" Tetrahedron Lett.30. 1249-1252 (1989)