1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540460
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 憲一 神奈川大学, 工学部, 助教授 (40114871)
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Keywords | テトロドトキシン / フグ毒 / 分枝サイクリト-ル / オルソエステル / グアニジノ化 / 分枝ニトロサイクリト-ル / キラル合成 / 分枝ヘキソ-セン |
Research Abstract |
グルコ-スの不斉炭素を有効に利用したテトロドトキシン(フグ毒)の全合成について種々検討した。合成にあたり次の二つの方法、すなわち1.分枝ニトロサイクリト-ル中間体を経由する方法、2.分枝ヘキサノン中間体を経由する方法、についてまず詳細な合成計画を立てた。計画に従ってこれら中間体合成に必要な基礎研究、およびそれら中間体の化学修飾によるフグ毒への誘導について主に検討した。本年度得られた研究実績の概要は次の通りである。1.(1)分枝ニトロサイクリト-ル重要中間体の大量合成を目的とし,保護基、合成法の検討をおこない収率の向上に成功した。(2)オルソエステル部分の構築を目的とし、ニトロ基の根本への直接増炭反応について検討し、立体障害により反応が進行しないことを明らかにした。(3)増炭の一手法として、ニトロ基を一度カルボニル基へ変換することとし、種々の条件検討の末60%の収率で目的物を得ることに成功した。(4)、(3)で導入したカルボニル基へのオルソエステル部分の増炭反応およじ根本へのアミノ基導入反応について種々検討し、収率良く目的物を合成することに成功した。(5)残る官能基であるグアニジン基の導入について検討し、従来法のほとんどが良い結果を与えないことを明らかにした。2.(1)本法を進める上での重要中間体(分枝ヘキソ-セン)の合成について種々検討し、その一般的合成法を確立した。(2)、(1)で合成した中間体の分子内アルド-ル縮合について検討し、分枝ヘキサノン誘導体類を収率良く得ることにはじめて成功した。(3)フグ毒合成に必要とされる分枝ヘキサノン誘導体の合成を前述の成果を活用し達成した。以上の二つの方法のうち1の方法ではあとグアニジン基の導入および脱保護を残すのみであり、2の方法では別ル-トのフグ毒合成の道を開いた。今後最後のつとめとしフグ毒に関する研究の幅広い展開を積極的に進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sato,S.Sakuma,J.Yoshimura,H.Hashimoto: "Convenient Synthesis of Novel 6-Deoxy-hex-5-enopyranosides" Bull.Chem.Soc.Jpn.(1990)
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[Publications] K.Sato,S.Sakuma,Y.Nakamura,H.Hashimoto,J.Yoshimurae Synthesis of Several Branched-chain 2,3,4,5-Tetrahydroxy Cyclohexanon Derivatives from corresponding 6-Deoxyhex-5-enopyranosides: "Chemistry Letters" (1990)
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[Publications] K.Sato,S.Sakuma,K.takahashi,J.Yoshimura,H.Hashimoto: "Stereoselectivities in the Reduction of several Branched-chsin 6-deoxy-hex-5-enopyranosides.Synthesis of Branched-chain 6-deoxy-L-hexopyranosides" Chemistry Letters. (1990)