1991 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における硝酸還元酸素の生体内動態に関する研究
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01540558
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中川 弘毅 千葉大学, 園芸学部, 教授 (70009330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 昭一 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80125898)
佐藤 隆英 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60125929)
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Keywords | 硝酸還元酵素 / 生体内分解 / 硝酸還元酵素不活性化因子 |
Research Abstract |
硝酸還元酵素(NR)の生体内分解機構を解明するためには、先ずNRそれ自体の構造を知る必要があると考え,タンパク質化学的および分子生物学的手法を用いて検討した。その結果,ホウレンソウ緑葉NRは2つのサブユニットから成る酵素であり,そのサブユニット内に,各々FAD,ヘム,モリブデンを含む3つのドメイン構造が存在することを明らかにした。これら各ドメインの1次構造のホモロジ-は植物間で比較的高い。しかし,これらドメインとドメインの間を連絡する領域のホモロジ-は低かった。しかし,FADドメインとヘムドメインの間には,S.aureus V8プロテア-ゼによって切断される部位が,またヘムドメインとモリブデンドメインの間にはトリプシンで切断される部位が様々な植物のNRに広く保存されていることが明らかとなった。これはNRの生体内でのタ-ンオ-バ-速度が速いことと何らかの関係があるものと推定された。 いっぽう,ホウレンソウ緑葉中には,プロテア-ゼ活性をもたないタンパク質性NR不活性化因子(NRI)の存在することが知られているが,その実体は不明であった。そこで今回,このNRIの単離精製を試みた。pH5処理,SES3クロマトグラフィ-,ConAセファロ-スクロマトグラフィ-,クロマトフォ-カシング,HPLCにより,ホウレンソウ緑葉粗抽出液からNRIを16,000倍にまで精製することに成功した。精製NRIは、分子量110,000の糖タンパク質であり,分子量53,000のサブユニット2個から構成されていることが判明した。またサブユニット間は、ジスルフィド結合で結合していることも明らかとなった。このNRIは,NRに結合するタンパク質ではないので,その不活性化機構は大変興味深いが残された課題である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Naomasa Shiraishi: "Sequence analysis of cloned cDNA and Proteolytic Fragments for Nitrote reductase from Spinacia oleracea L." Plant Cell Physiol. 32. 1031-1038 (1991)
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[Publications] Yukiko Sato: "Arginine and Lysine Residue as NADHーbinding sites in NADHーnitrate reductase from spinach." Phytochemistry. (1992)
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[Publications] Tomoaki Yoshimura: "A nitrate reductase inactiuator protein from spimach.Purification,molecular weight and subunit composition" Plant Cell Physiol. (1992)