1989 Fiscal Year Annual Research Report
底生有孔虫Melonis属の分類学的ならびに古生態学的研究
Project/Area Number |
01540637
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 四郎 東北大学, 理学部, 助手 (90142918)
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Keywords | 底生有孔虫 / Melonis / 分類学 / 生層序 / 古生態 / 生物地理 |
Research Abstract |
現世および第四紀において深海低層水の一指標である石灰質底生有孔虫Melonis属について、以下の研究を行った。 1.高知県沖の深海盆より採取された柱状試料について、Melonis属の最終氷期以降における層位分布を検討した。この試料よりM.parkerae,M.pompilioides,M.sphaeroidesの3種が得られたが、それぞれ異なる層位分布をすることが明らかになった。 この分布上に相違が示すものを考察するため、今後、この属を含む群集の層位的変化を検討する。また、四国海盆およびその周辺の北西太平洋海域にからの柱状試料によって同様の調査を行い、高知沖における層位分布の普遍性を検討する。 2.後期新生代化石種の時空分布を把握するため、国内各地より試料を採集し、微化石処理と化石群集の検討を行った。その結果、これまでに以下の各地よりMelonis属に同定される化石標本を得た。 北海道羽幌地域(上部始新統)、同釧路地域(漸新統)、青森県三戸地域(上部中新統)、宮城県仙台周辺(中部中新統)、千葉県房総地域(下部中新統-下部更新統)、神奈川県三浦半島地域(中部中新統-下部更新統)、富山県八尾地域(下部中新統)、富山県氷見地域(下部中新統、上部群新統-下部更新統)、石川県能登地方(下部中新統)、宮崎県高鍋地域(上部鮮新統)、など。 今後、これら各地より得られた標本について分類学的な整理を行い、各々の種の層位分布ならびに古生態について検討する。 なお、八尾地域の中新統について、Melonis属を含む化石群集の特徴およびそれらを産する地層の年代学的位置を検討し、地質学会東北支部年会(10月、山形大)および古生物学会年会(1月、早稲田大)において発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hasegawa,S: "Faunal succession of benthic foraminifera in the upper Yatsuo Group of the Hokuriku district,Central Japan--A temporal faunal trend during an Early-Middle Miocene transgression in Japan--" Centenary of Japanese Micropaleontology(Professor Yokichi Takayanagi Commemorative Volume).
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[Publications] 長谷川四郎: "富山県八尾地域の中新統複合浮遊性微化石層序" 化石.