1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550114
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 助教授 (40115291)
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Keywords | 摩擦・磨耗 / 耐磨耗性 / Cu-Ni-Zn合金 / 合金成分 |
Research Abstract |
実用材料の組織、成分が耐磨耗性に及ぼす影響として、Cu-Ni-Zn合金(洋白)のディスクと成分の異なるCu-Ni-Zn合金(0〜25% Ni、0〜25% Zn)のピンを組み合わせて大気中において接触荷重9.8N、速度0.1m/sですべり磨耗試験を行い、次のような点が明らかになった。 1.Cu-Zn合金と摩擦すると磨耗粉が移着して、Cu-Ni-Zn合金は全く磨耗しない。Uu-Ni合金およびCu-Ni-Zn合金との摩擦では、摩擦開始直後からシビヤ磨耗があらわれ、磨耗量はすべり距離に比例して増加する。 2.摩擦係数は成分元素の含有率にほとんど関係なくほぼ0.75で、鉄系合金に面ベルト非常に大きい。 3.磨耗量はZnの含有率にはほとんど関係しないが、Niの含有率が増加すると小さくなる。したがってCu-Ni-Zn合金(洋白)をα組織内のCuとZnの濃度範囲でNiの含有率を増加させれば耐磨耗性を向上できる。これはNiの含有によって素材の硬さが増し、磨耗粉が小さくなるためである。 4.Cu-Ni-Zn合金にSnを約2%含有させると耐磨耗性は向上する。この場合素材の硬さや引張り強さはSnを含有しないものと変わらないことから、微小量のSnの硬化は素材の機械的強度の上昇よりも摩擦過程で磨耗面の強度を増加させるためと推察される。
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