1989 Fiscal Year Annual Research Report
EHL潤滑における潤滑油の固化特性と潤滑性能に関する研究
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01550119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 雄二 九州大学, 工学部, 教授 (10037997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 誠吾 九州大学, 工学部, 助手 (50037975)
杉村 丈一 九州大学, 工学部, 助教授 (20187660)
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Keywords | 弾性流体潤滑 / トラクション / 潤滑油 / ガラス転移 / 固化 / 限界せん断応力 / 粘弾性 / 弾塑性 |
Research Abstract |
1.2重円筒型回転粘度計を試作し、低温度域での潤滑油のせん断特性を調べた。粘性流体および粘弾性体と挙動する温度領域では、せん断応力はせん断速度の増加とともに高くなるが、潤滑油の静的な固化(ガラス転移)温度以下になると(限界)せん断応力はせん断速度が低い方が高くなる。また、せん断応力は潤滑油分子構造により異なり、いずれの領域においてもトラクション係数の高い潤滑油の方がせん断応力が大きくなる。すなわち、せん断応力はポリフェニルエ-テルである5P4E、縮合ナフテン環炭化水素のタ-ル水添油、ナフテン鉱油、パラフィン鉱油、パラフィン系合成炭化水素PAOの順に小さくなる。 2.2円筒転がり滑り試験において、接触域において潤滑油が固化または弾塑性体として挙動する条件では、粘性流体とは逆にせん断速度の増加に伴い、トラクション係数は低下する。また潤滑油が固体的挙動をする領域では、潤滑油の粘度-圧力係数αと平均ヘルツ圧力pとの積、αp、は潤滑分子の接触域でのパッキング状態の尺度であり、トラクション係数は潤滑油の種類、滑り速度、接触圧力、潤滑油温度等の作動条件に拘らずαpの値によってほぼ決定できる。 3.完全EHL条件下で接触域に一旦形成された潤滑油固化膜は、潤滑条件が劣化し十分な潤滑油膜の形成が期待できない条件下でも維持され、摩擦面の保護、摩擦摩耗特性の劣化を防止する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sakai,T.Murakami,Y.Yamamoto et al.: "A Naphthenic Oil of Hydrogenated Coal-Tar Pitch as a Lubricant" Proc.5th International Congress on Tribology. 4. 245-250 (1989)
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[Publications] 山本雄二,橋本正明: "潤滑油の高圧下におけるトラクション特性の経時変化" トライボロジスト(日本潤滑学会誌). 35. (1990)