Research Abstract |
モデルエンジニアリング手法に於て,最も問題となっているのは立体配管モデルから,CAD活用のための3次元デ-タを得る問題である.本研究は,モデル各位置の計測を人手によるのではなく,モデルを映像化してその3次元デ-タを得ることを試み,前年度の研究成果によって,全く新しい計測手法を開発し,その基礎的な確認実験を行った.この手法は,凸レンズにより撮影光線を平行光線に変換して,配管モデルの撮影を行うもので,モデルから直接正投影図形の映像が得られる.この図形をもとに,ディジタイザを用いてモデルの各位置の3次元デ-タが,特別な変換を必要とせずに,コンピュ-タに入力できる.この新手法を正投影撮影法と,名付けることとした. 配管モデルの撮影に際しては,平行光線の領域を広くすることが望ましいため,確認実験で用いたレンズより大きい直径700mmの大口径凸レンズを,透明アクリル板を素材に設計製作した.また本格的研究のため,配管モデルの正面,平面,側面の正投影図を得るためのモデル回転台,凸レンズ設置台などを製作し,正投影撮影装置を構成した. 前年度の1系統配管を高度化し,着色した多系統の配管モデルを製作して,正投影撮影装置を用いてモデルを映像化した.この3面図から透明板ディジタイザにより,3次元デ-タ計測とコンピュ-タへの入力を行った.この際,カラ-フイルタを介して各系統の配管識別を行い,各系統図別の配管図および全体配管図を,CADによって作成した. イメ-ジラインの除去と,全体図における配管交差部分の修正に,一部分ソフト的問題が残っているが,配管モデルの3次元デ-タ計測・入力,CADとのリンクは成功し,本研究の目的はほとんど達成できた.
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