1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550134
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
沢田 雅 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (40087466)
|
Keywords | 希薄ガス / 内部流 / すべり流 / 自由分子流 / コンダクタンス / 表面粗さ / 運動量適応係数 |
Research Abstract |
既存のテストド-ムは寸法が小さく、密度の一様性、分子運動の無方向性等に疑問があったので、全長を2倍に拡大、改造し、基本性能について試練を行った。 2501/Sの排気速度を持つタ-ボ分子ポンプにより室温で80時間程度排気し、さらに70〜80℃に加熱して20時間排気を続け、10^<-5>Pa台の到達圧力が得られた。また漏れ量は10^<-8>Pa・m^3/S以下、放出ガス量は2×10^<-6>Pa・m^3/m^2・Sで、ほぼ妥当な値と評価された。次にガスの導入流量を種々の値に設定し、供試流路の入口前方50mmの位置でテストド-ムの直径上5点に、圧力測定用プロ-ブを開口端の向きが異なるように配置して圧力を測定した。測定値の差は0.6%以下で、一様性ならびに無方向性が十分確保されていることがわかった。 テストド-ムの性能は以上のように本研究の目的に適したものと判断されたので、みがき板ガラス(中心線平均粗さRa=0.004μm)、アルミ板(Ra=0.50ηm)、すりガラス板(Ra=1.04μm)で構成された三つの平行平板流路についてコンダクタンスとクヌッセン数の関係を非定常法により求めた。この結果に対しクヌッセンの実験式をあてはめ、実験値と一致するように運動量適応を選定したところ、みがき板ガラス、アルミ板、すりガラス板に対し、それぞれ、0.78、0.79、1.0となった。以上の実験結果ならびにテストド-ム内の密度の一様性と無方向性を総合的に検討し、テストド-ム、測定系および測定法は妥当なものと結論した。しかし、10^<-3>Pa以下の圧力においては真空計の精度不足のため、測定値のばらつきが大きいこと、ならびにすべり流域におけるコンダクタンスは以前の定常法による測定値に比べ、若干大きく自由分子流域におけるコンダクタンスは逆に若干小さいこと等、詳細な検討を要する問題も残されている。
|