1989 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉燃料棒支持用スペ-サ近傍の熱除去特性に関する熱・流動工学的研究
Project/Area Number |
01550149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深野 徹 九州大学, 工学部, 教授 (60037968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角口 勝彦 九州大学, 工学部, 助教授 (60194867)
逢坂 昭治 徳島大学, 工短部, 助教授 (70035806)
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Keywords | 原子炉 / スペ-サ / 熱除去特性 / 高速気流 / 薄膜流 / 液膜破断 / マランゴニ効果 |
Research Abstract |
1.スペ-サの幾何学的形状と液膜破断との関係については、(1)突起のない平板状障害物を用いる場合、平板下方で液膜厚さは減少するが、液膜破断には至らず、障害物の直前・直後では逆に膜厚は増加する。(2)突起付き障害物の場合、気流速度が60〜70m/sの高流速の時突起前方でテレホンポ-ル効果により液膜が破断し、低気流速の場合は突起後方で破断することが明らかとなった。また2.赤外線を用いた直接表面加熱によるサ-モキャピラリ流れの理論的実験的研究から、(1)5mm以上の水深の場合加熱滞近傍に一つの渦が定常に形成され、表面は鏡面状態であるのに対し、(2)2mm以下の水膜では複数個の渦が形成され、それらの渦位置に対応して、表面に凹凸が形成される。(3)さらに0.25mm程度の薄さになるとサ-モキャピラリによって生じる表面流を容器底部からの液体で補充することができず、渦が発生しなくなると同時に、加熱部では液不足になって液膜の破断が生じる。これらは局所水深で無次元化した水深を用いた数値解析結果とも良く一致すること、などが明らかとなった。3.加熱を伴う平板上の高気流速に伴われる薄膜流に関する実験的検討から、(1)上述のサ-モキャピラリ流れにより、非加熱の場合より極めて容易に液膜の破断が生じること、(2)このことが突起の存在より大きな影響があることがわかった。(3)一方液膜の伝熱機構を利用した、膜厚が100μm以下の液膜の流動機構に関するデ-タから、このような薄い水膜でも全体が層流であるとは見なし得ず、気液界面近傍では特異な流動様相となっていることが推察された。4.以上の結果から本研究目的を達成するためには次年度に計画した基礎研究を遂行するほか、実機の熱・流動条件下での研究も合わせて行う必要性が痛感された。
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Research Products
(2 results)