1989 Fiscal Year Annual Research Report
インジウムリン基板上ガリウム砒素系光スイッチの研究
Project/Area Number |
01550250
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
酒井 士郎 徳島大学, 工学部, 助教授 (20135411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 義廣 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (40035613)
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Keywords | ヘテロエピタキシ- / 光スイッチ / 熱歪 / 格子不整 / 光方向性結合器 / ガリウム砒素 / インジウムリン |
Research Abstract |
光コンピュ-タ、光通信の分野で重要性を増している超高速で動作する光スイッチをインジウムリン基板上に成長したガリウム砒素を用いて作製する事を目的に研究を行った。本年度は第一段階として、1、光スイッチの設計、2.MOCVD(有機金属気相成長)装置の立ち上げとガリウム砒素上のガリウム砒素の結晶成長条件の確立、3.ガリウム砒素上のガリウム砒素を用いて設計通りの構造がMOCVDにより形成できるかどうかの検討、4.デバイス特性への悪影響が予想される格子不整と熱膨張係数差による歪の緩和法の検討、の各項目についての研究を行った。その概要は次の通りである。 1.厚さ方向に2つの光導波路を集積化した三次元光方向性結合器の設計を行ない、単一モ-ド光スイッチを得るための構造(各層の厚さ、組織等)を明かにした。 2.本研究代表者が新たに設計した回転フロ-チャンネル式MOCVD装置の運転を開始し、高純度のガリウム砒素を成長するための条件を明かにした。またバルブの切替無しに厚さ20(]SY.Angstrom.(〕SYという薄膜の成長に成功した。 3.段差の付いた基板上にガリウム砒素の成長を行い、段の深さと幅で決まるある厚さ以上で表面は平坦になり三次元光方向性結合器が作製できることがわかった。 4.歪の発生メカニズムを研究し、その軽減法として基板/成長層界面の一部を除去するという新しい手法を提案した。その方法について理論解析を行い歪は十分の一以下になることが判明した。次年度はこれらの成果を基にいよいよ光スイッチの試作を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 酒井士郎: "Liquid phase epitaxial growth and layer properties of GaAs on Si substrates" Bulletin of Faculty of Engineering,The University of Tokushima. 26. 27-41 (1989)
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[Publications] 酒井士郎: "Si基板上のGaAsk熱歪み" 固体物理. 25. 193-201 (1990)
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[Publications] 酒井士郎: ":Stress distribution analysis in structured GaAs layers fabricated on Si substrates" Jpn.J.Appl.phys.
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[Publications] 酒井士郎: "Thermal stress in lifted GaAs layers on Si" Jap.J.Appl.phys.
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[Publications] 酒井士郎: "回転フロ-チャンネル式新型MOCVD装置の開発" 応用物理学会1990年3月.
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[Publications] 川崎宏治: "GaAs on Si中の熱歪" 応用物理学会1990年3月.