1990 Fiscal Year Annual Research Report
ル-ル合成機能をもつ学習プロダクションシステムの実現とその特性に関する研究
Project/Area Number |
01550296
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒屋 眞二 福岡工業大学, 工学部, 教授 (60175974)
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Keywords | マクロオペレ-タ / EBL / チャンキング / Reteアルゴリズム / ル-ル合成 / ル-ル分解 / パタ-ンマッチング / 解析的学習 |
Research Abstract |
本研究によって得られた新たな知見のうち、重要なものは以下の4点である。 1.ル-ル合成の効果は、プロダクションシステムで使用しているパタ-ン照合アルゴリズムから大きな影響を受れる。状態保存式パタ-ン照合アルゴリズムの場合には、ル-ル合成により高コストル-ルが発生し、状態保存のためのメモリと、パタ-ン照合コストが指数関数的に増大する場合がある。 2.高コストル-ルの発生による性能低下の問題を解決するには、高コストル-ルのインスタンシエ-ションの全てを同時に求めることをやめ、必要に応じて少しずつ求めるようにすればよい。これを実現する方法として、パタ-ン照合アルゴリズム自体を修正した選択的結合演算法と、高コストル-ルを適切な大きさのサブル-ルに分解するル-ル分解法の二つを提案した。 3.ル-ル合成は断片的な知識を大きな知識にまとめ上げるのに対し、ル-ル分解は照合コストのかかる大きな知識を小さな知識に分解する。故に、両者はほぼ逆の知識変換過程であり、両者が揃って初めて知識サイズの最適化が可能になる。ル-ル分解が性能向上に寄与することを明らかにしたのは本研究が最初である。 4.これまで優劣が議論されてきた3種類のパタ-ン照合法、即ち、非保存式(純粋プロダクションシステム)、部分保存式(Treatアルゴリズム)、完全保存式(Reteアルゴリズム)は、それぞれが威力を発揮する問題領域をもつ。即ち、これらの状態保存式パタ-ン照合法には、個々の問題領域に対して最適な状態保存レベルが存在する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 荒屋 眞二: "ル-ル合成がデ-タ駆動型プロダクションシステムの実行速度に及ぼす影響" 人工知能学会誌. 6. 271-275 (1991)
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[Publications] 荒屋 眞二: "状態保存式パタ-ン照合アルゴリズムの定性的コスト分析と最良アルゴリズム選択法" 人工知能学会誌. 6. (1991)
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[Publications] 荒屋 眞二: "回転パタ-ンを学習認識するニュ-ラルネットワ-ク" 電気学会論文誌. 111. (1991)
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[Publications] 荒屋 眞二: "演繹推論システムの高速化に向けて" 福岡工業大学研究論集. 23. 11-25 (1990)
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[Publications] 荒屋 眞二: "ル-ル合成と部分照合の比較と統合" 福岡工業大学研究論集. 23. 137-149 (1991)
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[Publications] 荒屋 眞二: "ブロダクションル-ルの分解とその効果" 人工知能学会誌. 7. (1992)