1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550460
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 俊行 九州大学, 工学部, 教授 (60038106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍 有二 九州大学, 工学部, 助教授 (20191695)
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
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Keywords | パッシブ住宅 / 熱環境予測評価システム / PMV / 基準住宅モデル / 在室スケジュ-ル / シミュレ-ション / パッシブ要素設計 / 補助冷暖房 |
Research Abstract |
本研究は、パッシブ住宅の室内熱環境を予測評価するための設計支援システムの開発を目的としている。パッシブ住宅とは、日射・風・気温・地温などの自然エネルギ-を利用して、建築の構造体や空間が持っている温的環境調整機能をコントロ-ルすることにより、夏涼しくて冬暖かい室内環境の形成を図るものである。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.パッシブ住宅の熱環境計画基本フロ-を示し、住宅用熱負荷概算プログラム,単室定常熱環境予測プログラム,多数室非定常熱環境予測プログラムを作成した。 2.単室定常熱環境予測モデルにおいては、新たに室内平均放射温度と室内相対湿度の計算を組み込み、体感温度SET^*による評価を可能にした。このモデルは設計途中で熱環境を予測する際に有効であり、どの程度の通風を期待したらよいかなどを決定することができる。 3.多数室非定常熱環境予測モデルにおいては、居住者の存室スケジュ-ルと体感指標PMVを設定した予測シミュレ-ションが可能である。ブラインドを含む窓面の伝熱モデルを追加し、いわゆるエアサイクル型のパッシブ住宅も取り扱えるよう改良した。夏季の日射遮蔽,通風,夜間換気,地中冷熱,冬季の断熱,気密,集熱,蓄熱を考えて基準住宅モデルの仕様を変更し、PMV±0.5以内を目標値とした室温および負荷変動のシミュレ-ション結果を基に、各パッシブ要素の個別効果と複合効果、補助冷暖房の必要期間と所要エネルギ-を明らかにした。 4.徳山市および福岡市の各実験住宅において、夏季および冬季の室内熱環境を実測調査し、多数室非定常熱環境予測モデルによる計算値と比較検証した。その結果、計算値は測定値とよく一致し、本予測評価システムの有効性が確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Watanabe,et al.: "A Simplified Calculation Method of Seasonal AirーConditioning Requirements for Residential Buildings" Proc.of International Symposium on Energy,Moisture and Climate in Buildings. III-14 (1990)
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[Publications] 渡辺 俊行,ほか4名: "パッシブク-リング住宅の予測評価システム その4" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D・環境工学. 1067-1068 (1990)
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[Publications] 林 徹夫,ほか6名: "ブラインドを含む窓面の伝熱機構の解析 その3 実験概要と内ブラインドの気流性状" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D・環境工学. 781-782 (1990)
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[Publications] 林 徹夫,ほか6名: "ブラインドを含む窓面の伝熱機構の解析 その4 実験と計算の照合および窓の熱取得" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D・環境工学. 783-784 (1990)
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[Publications] 龍 有二,ほか6名: "ヒ-トポンプ利用ダクト式集中冷暖房による断熱気密住宅の温熱環境について" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D・環境工学. 1371-1372 (1990)
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[Publications] 龍 有二,ほか3名: "省エネルギ-実験住宅の蓄熱床暖房に関する研究 その1 夏季冷房実験" 日本建築学会九州支部研究報告. 第32号・2. 137-140 (1991)