1989 Fiscal Year Annual Research Report
群建築の圧迫感の計測および許容限界値の設定に関する研究
Project/Area Number |
01550462
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
武井 正昭 東京理科大学, 工1・建築学科, 教授 (60084357)
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Keywords | 総合設計制度 / 群建築 / 大規模建築物 / 圧迫感 / 許容限界値 / 形態率 / 隙間部分天空率 / 連続建建築物 |
Research Abstract |
本研究は、大規模な市街地開発に当って、総合設計制度を利用して数棟の群建築を設計する場合、その大規模建築群が周辺に与える圧迫感という環境評価の心理量を測定し、かつ、その許容限界値を求めることを目的とする。当該年度は、大阪市内及び広島市基町に於ける高層建築群7ケ所を実験対象に選び、先づ、建築物の諸寸法を図面と実測により測定し、次に、現地に於て三面スクリ-ン用写真の撮影及び天空率・形態率等の物理実測を行った。これを実験室内で20名の被験者によるアンケ-ト調査を行い、その結果を分析した。 圧迫感が群建築物の形態率に比例することは、当該研究に着手する以前に予想されていたが、今年度は、建築物間の隙間の影響も大きいと考えられるので、実験対象とした実測は、隙間のない連続建の例である広島市基町の住宅地を含めた。 実測には予想以上の手間がかかったが、期待通りの結果が得られたので、分析したものを整理して、現状では形態率、隙間率と圧迫感の相関関係を求めることができた。とくに隙間の大小は、隙間部分の天空率をもってよく説明しうることが判明した。通常の群建築は、大規模建築物で構成されるものであっても、隙間が多い。一方、防災的見地から連続建とされる場合もある。後者のようなものは、周辺に大きな圧迫感を与える。本研究では上記の差異についても特に有用な結果を求めるものである。
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