1989 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-タウンにおける都市機能の経年変化と制御方策に関する研究
Project/Area Number |
01550471
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森田 孝夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90107350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10115983)
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Keywords | ニュ-タウン / 住環境 / 宅地分割 / 土地区画整理法 / 新住宅市街地開発法 / 都市機能 |
Research Abstract |
調査対象ニュ-タウン(高蔵寺NT、千里NT、洛西NT等)の住宅変容は、その開発の準拠法が土地区画整理法か、新住宅市街地開発法で、根本的に異なっていた。1.住宅変容調査の結果:(1)店舗等併用住宅の発生率--土地区画整理法のニュ-タウン(高蔵寺NT)では、当初から店舗等併用住宅が発生しているが、新住宅市街地開発法のニュ-タウンでは、千里NTの場合、店舗等併用住宅の発生はほとんどないが、宅地分割化がある。京都・洛西NTでは、独立住宅で10.3%、テラスハウスで2.7%が店舗等併用住宅で、入居3年以内に用途変更が集中する。(2)発生地点の特性--店舗等併用住宅の発生地点をみると、幹線道路沿いの発生が多い。洛西NTでは、サブセンタ-からの距離が遠い地区に店舗等併用住宅の発生が多い。(3)変容原因--家計経済的理由が多い。2.都市機能変容調査の結果:(1)店舗等併用住宅の用途--高蔵寺NTでは喫茶店、クリ-ニング取次店、美容院、月極め駐車場、学習塾が多い。クリ-ニング取次店、美容院、学習塾は、洛西NTでも多い用途である。千里NTでは、戸建敷地が集合住宅に変容している例がある。(2)地域施設の供給や自然発生の時系列変化--商業施設が最も問題で、先行整備されるサブセンタ-が、後に整備される中央センタ-に商圏をうばわれ、衰退する例がある(洛西NT)。医療施設の整備に対しては、不満が多い。3.都市機能変容の問題:(1)住環境の劣化--店舗等の経営がうまくいかず、閉鎖するケ-スがある(高蔵寺NTで約6%)。店舗等の建物部分や看板を撤去しない状態で放置されるため、異様な景観になっている。(2)宅地分割による人口増--千里NTでは、独立住宅の敷地分割による住戸数増加や、分譲集合住宅の増戸建替えのため、下水道処理の都市施設の容量オ-バ-の問題が生じている。
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