1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550481
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小野木 重勝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10043598)
|
Keywords | 日本近代建築 / 宮延建築 / 赤坂離宮 / 近代建築技術 / 内外装 / 仕上材 / 仕様書 |
Research Abstract |
標記の研究において、本年度は、赤坂離宮(旧東宮御所・現迎賓館・明治41年完成)の内装のうち、石膏装飾・絵画装飾・金箔装飾・七宝装飾・窓掛けなどについて、各材料とその加工・施工技法について調査研究を行った。宮内庁書陵部蔵「東宮御所造営工事録」(明治31〜41年)に収録されている工事仕様書および施工図等の基礎資料を主に調査・分析する実証的方法によっており、主要資料については、昨年度と同様、できる限りマイクロ撮影複写を行った。 内装のうち、石膏装飾・絵画装飾については、輸入石膏材料・絵画下地カンバスの購入注文店が収録されているだけで、施工に関する仕様書が欠失していた反面、金箔装飾・七宝装飾・窓掛けのほかに、暖炉前飾り、国産家具の一部、鏡飾り等に関する資料を加えることができた。これらのうち、窓掛けについては、多数の織物注文書が残されており、緞子・繻子等の純絹織物が、輸入見本にならってすべて国内で製織されていることが判明した。他の装飾については、加工・施工法が詳細に判明しないものが多いが、赤坂離宮で初めて試みられた装飾が多いこともあった、図面・見本にならい、製作業者や職人に委ねるかたちで発注されたものとみなされる。 本研究の最終年度にあたり、本年度は3ケ年にわたって実施した、赤坂離宮の内・外装について、総括的に検討した。外装・内装に大別して、それぞれ各工事別の仕様に検討を加え、加工・施工技法の特色を明らかにするとともに、わが国近代建築史上に占める生産技術史的意義について考察を行った。
|
Research Products
(1 results)