1990 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異によるダイズ種子貯蔵タンパク質の遺伝変異の誘発
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01560001
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 助教授 (10133894)
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Keywords | グリシニン / ベ-タ・コングリシニン / ガンマ-・コングリシニン / ダイズ種子タンパク質 / 突然変異誘発 / グル-プ1グリシニン |
Research Abstract |
ダイズ種子タンパク質の栄養価や食品加工適性の遺伝的改良を行うため、主成分タンパク質の11Sグロブリン(グリシニン)と7Sグロブリン(ベ-タコングリシニン)のサブユニットタンパク質の生成に関する遺伝的変異をガンマ-線照射により誘発し、その遺伝様式等いくつかの特性を調べた。 ダイズ品種ワセスズナリ等いくつかの品種の乾燥種子にガンマ-線照射して得た11Sグロブリンのグル-プ1サブユニットの欠失変異については、本年度は増殖を行い得られた種子を材料として、タンパク質含量、油脂含量および豆腐加工適性などの調査を行った。その結果、豆腐には適さないが、従来のダイズ品種には見られないタンパク質ゲルの物理化学的特性が見出された。また、7Sグロブリンに関しては、αおよびβサブユニットの欠失性変異の遺伝様式(致死性)に関してさらに詳しい分析を進める一方、新たにγサブユニットの欠失変異(生存可能)を発見した。これらの変異の相互組換えの可能性等を見るため、夏には交雑実験を精力的に行い、変異の相互交雑F_1種子や毛振(α'サブユニットの欠失)など別の変異をもつ品種との交雑を行い、いずれもF_1種子の獲得に成功した。現在、温室にてF_1植物を養成中である。 7Sグロブリンのαおよびβサブユニットの同時欠失性変異の致死がクロロフィル生成の異常にあることは、発芽種子の生長過程の観察から明らかであるが、それが根からの栄養吸収力の異常にあるかどうかを見るため、若干の予備的培養実験も試みたが、致死までの期間(初生葉の展開まで)の延長を実現することはできなかった。ゲノムDNAの単離を行い、DNAの塩基配列の面からの原因究明も準備中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 海妻 矩彦: "7Sグロブリンの突然変異ダイズの諸形質について" 日本作物学会東北支部会誌. 33号. 100-101 (1990)
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[Publications] 海妻 矩彦: "放射線照射によって誘発された大豆種子タンパク質に関する遺伝変異体について III 11Sグロブリン変異体の蛋白質含量及び油脂含量" 日本育種学会誌. 40,別冊1. 504-505 (1990)
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[Publications] 海妻 矩彦: "放射線照射によって誘発された大豆種子タンパク質に関する遺伝的変異体について IV.βーコングリシニン・タンパク質変異の遺伝様式" 日本育種学会誌. 40,別冊2. 208-209 (1990)