1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560041
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中村 俊一郎 東京農業大学, 農学部農業拓殖学科, 教授 (60035110)
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Keywords | ワサビ種子 / recalcitrant種子 / 種子含水量 / 液体チッソ / vigour / PEG / ジベレリン合成阻害物質(生長抑制剤) |
Research Abstract |
1.ワサビ種子の休眠は種皮に原因し、剥皮を行えば、温度さえ適当であれば、たとえ休眠の深い時期であっても完全に発芽することができる。 2.低温で風乾した種子(含水量10-12%)は室温では2-3週で、5℃下でも2か月以内に発芽力を失う。しかし液体チッソ中に貯蔵すれば、vigourの旺盛な種子であれば、約1年間の貯蔵が可能である。しかしvigourの弱った種子では風乾中にすでに発芽力をある程度失い、これを液体チッソ中に入れてもやはり生命力を失ってゆく。室温あるいは5℃下で塩化石灰上で乾燥した時(含水量約6%)には、乾燥時点ですでにほとんど生命力を喪失している。 3.液体チッソ中貯蔵に対する含水量のcritical pointは20%と15%の間にあり、20%以上では大部分が死滅し、15%以下の時にはほぼ安全に貯蔵できる。 4.長期貯蔵の場合の安全含水量のcnitical pointを求めるため、種々の含水量に調節した種子を液体パラフィン中に1か月間貯蔵した。これによるとcritical pointは30%と40%の間にあり、種子の安全な貯蔵のためには40%以上の含水量が必要である。 5.ワサビ種子を高含水量で貯蔵した時、そのままでは休眠の弱化に伴って萌芽が多くなる。これを防ぐためにPEG6000(-18bar)およびジベレリン合成阻害物質(pachrobutrazol,ancymidol,uniconazol,CCCおよびCGR-811)を用いた。何れもカビ防止のためにBenlateTを1%混入した。PEGでは液上に種子をひろげて密封し、生長抑制剤では溶液に1-6時間浸漬後水洗し、あと密封貯蔵した。これらの方法によって1年以上の無萌芽貯蔵が可能であった。
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