1991 Fiscal Year Annual Research Report
DNA構造解析による植物病原系糸菌の遺伝的類縁性に関する研究
Project/Area Number |
01560056
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Research Institution | Higashi Nippon Gakuen University |
Principal Investigator |
国永 史朗 東日本学園大学, 教養部, 講師 (20094831)
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Keywords | Fusarium oxysporum f.sp.lycopersici / パルスフィ-ルド電気泳動法 / 染色体DNA / CHEF電気泳動法 / 化学分類 |
Research Abstract |
Fusarium oxysporum f.sp.lycopersici(トマト萎ちょう病菌)の分化型(forma specialis)内の遺伝的類縁性を明らかにする目的で、パルスフィ-ルド電気泳動のシステムの一つであるCHEF(Contourーclamped Homogeneous Eletrofic Field)電気泳動装置を用いて,染色体DNAの多型現象の有無を調査した。 1.試料の調整方法の検討 試料の調整方法として,Orbach,M.J.et al.(1988)によって報告されたノボザイム234酵素によるLiquid spheroplast法(LP法)が現在広く用いられているが,最近,プロトプラストを形成させずに調整する方法がMcCluskey,K.et al.(1990)によって報告された。この簡便な方法がFusarium菌に応用できないかを検討した。その結果,Fusarium菌の分生胞子を埋め込ませた低融点アガロ-ス寒天片を,0.45M EDTA(pH8.0),1%SDS,1mg/ml proteaseの溶液に浸湿し,50℃,24hr保つ方法によって,バックグランドのきれいな泳動 パタ-ンを示す試料が得られることがわかった。この方法は多数の試料を調整するのに便利であると考えられた。 2.Fusariumの染色体DNAの最適分離条件と多型現象 電気泳動条件:アガロ-スゲル濃度1.0%,電圧70ー80V,パルスタイム1,400秒,泳動時間72時間,で行った時,染色体DNAが最も良好に分離された。トマト萎ちょう病菌の15菌株において染色体DNAの泳動パタ-ンを比較したところ多型現象が認められ,また本分化型内のレ-スとは一定の関係が認められなかった。本菌の染色体数は6ー8本,長さはおよそ900ー6,000Kbで,3,000Kb以上の染色体においては菌株間で数および長さに違いが認められなかったが,3,000kb以下の染色体の部分では著しい多型が観察された。
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Research Products
(1 results)