1989 Fiscal Year Annual Research Report
酵母細胞壁抗原性・熱ショック蛋白質の機能解明に関する研究
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01560100
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
玉井 洋一 愛媛大学, 農学部, 教授 (50036448)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / ストレス蛋白質 / 酵母の抗原性蛋白質 / エノラ-ゼ / グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素 |
Research Abstract |
酵母細胞壁抗原性蛋白質TLAaおよびTLAbの本来の生理的機能は不明のままであったが最近TLAaのアミノ酸組成が酵母エノラ-ゼ、熱ショック蛋白質HSP48と大変類似していることを見い出した。本研究はTLAaおよびTLAbについて既知の蛋白質と比較することによりこれら蛋白質の同定を行うとともに細胞に対する本来の生理的機能を明らかにすることを目的として行った。その結果以下に示す結果からTLAaおよびTLAbがそれぞれ解糖系酵素エノラ-ゼおよびグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)と同一であった。 1.アミノ酸組成、沈降係数、スト-クス半径分子量が大変類似していた。 2.抗TLAaおよび抗TLAb血清は市販の酵母エノラ-ゼおよびGAPDHに対し沈降線を与え、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で両蛋白質を分離後イムノブロッティングを行うとそれぞれ対応する抗血清と反応した。 3.N末端部のアミノ酸配列が同一であった。またエノラ-ゼおよびGAPDHは熱ショック蛋白質であると報告されているのでTLAaおよびTLAbについて熱ショックを含む種々のストレスに対する応答について検討した。TLAaおよびTLAb量は未変性-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりそれぞれ2つおよび3つのイソ蛋白に分離後抗TLAaおよび抗TLAb血清を用いたイムノブロッティング法によって測定した。TLAaおよびTLAbのイソ蛋白の含量はグルコ-ス飢餓、2-デオキシグルコ-ス添加、非発酵性炭素源で培養、食塩添加などのストレスによって変化し、熱ショック、ツニカマイシン、ソルビト-ル添加ではあまり変化しなかった。これらのことによりTLAaおよびTLAbはいくつかの環境ストレスに応答する細胞質抗原性ストレス蛋白質の一群であると結論した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuo WATANABE,Yoshiro IKEUCHI,Youichi TAMAI: "Identification and characterization of a thermolabile Antigen(TLAa,Enolase)in Saccharomyces cereuisiae" Agric.Biol.Chem.
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[Publications] Yasuo WATANABE,Yoshiro IKEUCHI,Youichi TAMAI: "Identification and charactevization of a thermolabile Antigen(TLAb,glyceraldehyde-3-plioybate debyelogevese)in Sacchoromyces Owuseol." Agric.Biol.chem.