1989 Fiscal Year Annual Research Report
1980年代以降の世界の木材需給動向の計量経済学的研究
Project/Area Number |
01560158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 信 東京大学, 農学部, 助教授 (20164436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古井戸 宏道 国立森林綜合研究所, 林業経営部, 研究員
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Keywords | 計量経済学 / 世界木材需給構造 / 森林・木材資源 / 木材貿易 |
Research Abstract |
今年度は国連食糧農業機構の「林産物年鑑」のデ-タの入力と、計量経済学モデルの構築のための既存の研究についての検討を中心に行った。校舎の目的で需給構造の把握を目的とする研究会を、研究組織を拡大する形で東京大学農学部林政学教室と森林総研経済分析研究室で行ってきた。 学術上の問題点として、需要要因と供給要因の分離に際して連立方程式を用いた推計が要求されるが、その際の連立方程式の歪みの除去と、残差項に自己相関が見られるのでその処理が問題となる。これらに対しては計量経済学的な理論としては、三段階最小二乗法や最尤法などが提案されているが、既存の研究ではこの面の配慮に乏しい。 本研究の目的は、1980年代以降(2度のオイルショック以降)の世界的な木材需要と森林・木材資源および木材貿易、さらに幅広い関連経済指標のデ-タを整理し、その計量経済学的分析を行って、世界的な木材の需給構造を明らかにすることにあるが、本格的な分析は最終年度である来年度においてなされる。来年度は計量経済モデルを作成し、地域単位に木材の需要要因を数量的に把握し、また生産要素の規定する供給構造を明らかにする。 ・資料の収集:引き続き統計資料を収集するとともに、世界の森林資源・木材需給に関する分野の文献を収集し、検討を深める。 ・数理統計的処理:図表表示や単純記述統計などに加工する。 ・需給構造の把握:数理統計的処理を経た情報および文献を用いて、定性的また定量的な事実把握に努める。 ・計量経済学的モデルの構築:上述の分析によって得られた所見を基に計量経済学的モデルを構築する。 ・計量経済学的モデルの推計と検定:収集したデ-タを用いてモデルを推計し、検定を行う。
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