1990 Fiscal Year Annual Research Report
超音波伝播法による製材品ならびに立木の強度と弾性率の評価に関する研究
Project/Area Number |
01560192
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
浦上 弘幸 京都府立大学, 農学部, 教授 (60046464)
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Keywords | 伝播速度 / 音速 / 含水率 / 比重 / 弾性率 / 強度 |
Research Abstract |
木立や製材品の弾性率と強度を弾性波の伝播速度から非破壊的に評価する方法を確立するために,本年度は打撃による弾性波の伝播速度の測定方法と超音波非破壊試験器による音速に及ぼす比重,含水率ならびに構造方向の影響などについて検討を行なった。 その結果の概要は以下の通りである。 打撃による場合 1)音速の測定には横波よりも縦波の方が適している。 2)縦波の音速は打撃方向によって著しく異なるが,その平均値は既往の音速とほぼ一致することを認めた。 3)木材にセンサ-(加速度型振動計)を取り付ける媒体や方法(木ねじ,グリス,両面テ-プ)によって音速は影響されなかった。 4)センサ-自体の設置方向によって音速はほとんど影響を受けないので,センサ-には指向性はないものと判断した。 5)音速の測定には周波数1kHzが最適であった。 超音波非破壊試験器による場合 1)音速と比重の間には一定の傾向は認められなかった。 2)ランダムに採取した試験片の音速と含水率の関係はばらつきが大きく,一定の関係を得るまでには至らなかったが,同一試験片について測定した音速と含水率の関係では,明らかに含水率の増加のともなって音速は低下した。 3)繊維飽和点以下では,弾性率および強度と音速の関係は含水率に関係なく,かなり高い正の相関を示した。したがって,含水率を無視しても音から弾性率や強度の推定が可能になるものと考える。
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Research Products
(2 results)