1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560250
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
井筒 勝彦 香川大学, 農学部, 助教授 (20035992)
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Keywords | 降水量 / 台風 / 対数確率 / 岩井法 / ヘイズンプロット / 渇水 |
Research Abstract |
年間の降水量の分布は、春の移動性低気圧や梅雨によって、3月から7月の間は例年降水量は多い。8月、9月、10月も長年の期間を平均すると降水量は多いが、これらの月の多量な降水量の原因に台風の影響が考えられ、それらの影響がない年は渇水となる傾向にある。そこで、高松地方気象台より入手した昭和26年〜昭和63年の香川県気象月報から抜粋した降水量デ-タや台風経路図等を基にして、基本的に降水量の多い3月から7月の期間と、8月から2月の期間に分け、さらに台風の影響による降水量を切り離して、統計的に整理しグラフ化し、デ-タ処理をすることによって、高松、小豆島における水文的環境を明確にした。降水量の確率的分布は正規確率ではなく、対数確率であることはよく知られており、台風の影響をより明確化するために、年間の降水量を全降水量、台風による降水量、全降水量-台風による降水量の3デ-タを、岩井法、ヘイズンプロットによって同一紙上に比較したところ、8月から2月において台風による影響が大きいことが判明した。このことより、8月から2月の期間は、基本的に乾燥傾向が強く、ある確率で台風という異質な気象が重なったものであると考えられる。 また、小豆島の水資源について検討した結果、1988年を例にとってみると、年間の降水量は1290mmと多く、台風の影響による降水量がほとんどなかった。しかし、10月下旬あたりより渇水状態に入っている。このことより8月以降において台風の影響がなかったならば、渇水状態に陥る可能性が非常に高いと考えられる。従って、小豆島の水資源を検討する際には、台風の影響による降水量に頼らないような方法を考えていかなければならない。
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Research Products
(1 results)