1989 Fiscal Year Annual Research Report
牛の早期妊娠因子(EPF)特異抗体の作出と妊娠診断への応用に関する研究
Project/Area Number |
01560282
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 泰久 岩手大学, 農学部, 教授 (00003749)
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Keywords | 牛血清 / EPF / RIT値 / 妊娠診断 |
Research Abstract |
牛の早期妊娠因子(EPF)は、妊娠6-7日目以降母牛の血液中に出現することから、早期の妊娠診断への応用ならびに移植した胚の生存の確認、妊娠継続のモニタ-としての利用が期待される。しかし、EPFは間接のロゼット抑制反応によっ測定され、手法も煩雑で特異的でないことから測定法の改良が望まれて居り、EPFの分離・抽出も試みられている。本研究は、WILSONら(1983)および安田ら(1989)の方法により、妊娠牛血清からRIT値の高い分画を抽出し、ウサギに免疫して抗体を作製、この抗体を用いて早期妊娠診断を行うことを目的とした。 妊娠血清は、妊娠5-6週の11頭のホルスタイン種より採取した。これらは、RIT値と直腸検査によって妊娠が確認された牛である。EPFの分離・抽出は、妊娠血清5lを限外濾過により1/50に濃縮後、イオン交換DEAE Sepharose Fast Flowを通した。そこで、吸着と非吸着分画のRIT値を求め、MORIYAMA他(1989)によりRIT値4以上をEPFの含まれる分画と判定した。この非吸着分画はCM-Sepharose Fost Flowに適用、0.05M Nacolを含む緩衝液でカラムに吸着する分画を集めた。さらに、この分画を再びDEAEカラムに適用、その非吸着分画(CM-2)をFPLC Superose 12に適用した。一方、CM-2分画はウサギに免疫して抗体を作製した。 次の点が指摘された。1)RIT値は、CM-2分画で4、FPLC-2分画で5となった。2)A280nmでFPLC-2分画を測定すると、1つの明瞭なピ-クと6つのピ-クが観察された。3)CM-2分画のSDS-PAGEは、5つのバンド(60、50、40、30、と20Kd)が観察された。4)CM-2分画のImmunoblottingは、6本(66、45、30、と20Kd)が指摘された。 現在、雄血清と非妊娠血清による吸収試験を実施、妊娠特異分画(EPF分画)の特異性の検討を、Immunoblotting、免疫電気泳動法および寒天内拡散法によって実施している。
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