Research Abstract |
農産系バイオマスの飼料利用を図るため,モミガラを代表に選び,セルラ-ゼ活性は高いがヘミセルラ-ゼ活性が弱く培養日数が長いなど欠点を持つTrichodema viride系改良株産生酵素を中心に,これの弱点を補強するためAspergillus,Acremoniumのセルラ-ゼ系酵素のほかへミセルラ-ゼ,ペクチナ-ゼならびにグルコアミラ-ゼの併用による糖化分解を1.基質分解を促進させるための結晶性の破壊と脱リグニン化に粉砕,酸,アルカリ,酸・アルカリによる前処理を行い,2.供試酵素群が酢酸酸性下で活性を示すこと,各酵素群の特色,至適pHからWelpole酢酸緩衝液で0.5〜1.0%の各酵素懸濁液を調整し,これらを種々に組合せ各基質添加酵素懸濁液培養液とし,培養温度40°±2℃で酵素活性の持続を検討した.(1)振盪培養によって糖産生はアルカリ,酸・アルカリ処理基質が優れていること,培養1〜2時間に急速に上昇するが,それ以降は糖濃度が停減する。(2)培養1,4時間間隔の連続4次振盪培養,12時間間隔連続96時間振盪培養の結果,培養時間の長期化,酵素懸濁液濃度を高めることが糖産生に直接つながらないこと,さらに(3)12時間ごとに培養内溶液を新しい酵素懸濁液と交換して96時間の連続循環培養を行っても,糖産生は若干向上するが,やはり培養液糖濃度は序々に減少傾向を呈し,糖産生の進行蓄積に伴うpHの低下,酵素活性の阻害,停滞の起こることが明らかになった.3.酵素反応の永続化を,4時間間隔の膜分離を採用した16時間関連続膜分離培養により検索したところ,各膜通過液の酵素活性は持続性を示した.4.酵素培養基質残渣をヒナ育成用飼料材料のトウモロコシの一部と置換え,30日間の卵用種ヒナでの育成試験を行った結果,対照飼料給与ヒナ群の発育と差異がなく,飼料給源になり得ること、またさらに酵素分解による産生糖を飼料に加えていけば飼料材料の節減,効率化につながるなど,エネルギ-給源としての代替の可能性が示唆された.
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