1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570112
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中嶋 敏勝 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00075045)
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Keywords | ニコチン / 薬物代謝 / カテコ-ルアミン / インド-ルアミン / ラット脳 / 加齢 / 急性毒性 / 脳内ニコチン濃度 |
Research Abstract |
6週齢、1年齢そして2年齢の雄性wistar系ラットにて、肝のニコチン酸化酵素活性、ミクロソ-ムのPー450比含量ならびにフラビン含有モノオキシゲナ-ゼ(FMO)比活性などを分光光度計を用いて測定し、ニコチン代謝について検討した。6週齢、1年齢のラットの肝ミクロゾ-ム中のPー450比含量ならびにFMO比活性はほぼ同程度であった。しかし、2年齢では、2分の1以下に減少していることが確認された。また、ラットの線条体、視床下部、海馬のノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミンならびにその代謝物は加齢により減少もしくは減少傾向がみられた。6週齢ラットにおけるニコチン投与によるモノアミンおよびその代謝物の変化は、とくに、線条体のドパミン係において著明に認められた。また、2年齢ラットにおけるニコチン投与後の線条体でのモノアミンの変化は若年齢における変化と比べ、小さかった。LD_<50>に近い24.5mg/Kgのニコチンを一回皮下注射した時の致死について検討したところ、6週齢では11例中5例、2年齢では6例中4例の死亡例が認められた。 同年齢における死亡例と生存例の脳内ニコチン濃度はいずれも死亡例の方が高い傾向を示し、脳内濃度が示唆された。なお、2年齢で代謝活性の相違がみられたが、死亡例と生存例の例数が少ないので、さらに例数を増やして比較検討するため、現在業者で飼育中である。 ニコチンの脳内作用部位を明らかにする目的で移所運動量を指標として検討した。移所運動量の増加はドパミンA10神経系の腹側被蓋野およ側座核が関与していることが認められた。また、アンタゴニスト前投与の結果から、これらの存在するニコチン性アセチルコリンおよびドパミンD1とD2受容体を介して発現することが示唆された。さらに、連日投与による逆耐性形成には特に腹側被蓋野の関与が大きいことが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Nakayama,J.Linstrom T.Nakashima and Y.Kurogochi: "affinity purification of nicotinic acetylcholine recepton from rat brain" Newroreceptor mechanism in brain,Planum Publishing Corp.295-299 (1990)