1990 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管に於けるカルシウム再吸収の細胞学的機構の解明
Project/Area Number |
01570368
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塚本 雄介 北里大学, 医学部, 講師 (40146345)
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Keywords | Ca pump / 側底細胞膜 / 腎尿細管 / カルシウム輸送 / 副甲状腺ホルモン / ビタミンD / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
中心課題1:「目的」Ca pump活性の近位尿細管(PT)および遠位尿細管(DT)における調節機序の検討。「方法」オスSpragueーDawleyラットに選択的副甲状腺摘出術(PTX)を施行後72時間で腎を摘出した。この腎よりPTとDT由来の側底細胞膜小胞(BLMV)を分離した。BLMVによるATP存在下での^<45>Ca^<2+>取り込みを測定し、Ca pump活性とした。「結果」(1)PTにおけるCa pump活性はKmが81.6±28.7nM Ca^<2+>(平均±SD,n=8)と腎尿細管細胞内Ca^<2+>濃度に一致する値を示した。一方、DTにおいては35.1±16.1nMとはるかに低い値を呈した。(2)PTXによりPTではVmaxがシャムラットの9.08±2.21nmole/min/mgに比し4.68±0.99(n=6,p<0.05 by Anova)と有意に低値を示したが、Kmは変化しなかった。一方、DTではVmaxに変化はなかったがKmが93.1±11.0nMへ有意に増加した。(3)このPTXラットに1,25(OH)_2D_3を400pmo12日間腹腔投与して血清Ca値を正常化したところ、これらPTXによる変化に対する効果はいっさい見られなかった。「結論」遠位尿細管のCa pump活性は極めて高いCaに対する親和性を有し、細胞内を通過するCa再吸収を遂行するのに適した系であることが明かとなった。一方、近位尿細管では細胞内Ca濃度に一致した親和性を有するCa pumpでありCa再吸収を促進する系というよりhouseーkeeper的な役割に適していると考えられる。PTHはこれら両者のCa pump活性を異なる機序で刺激し、一方1,25(OH)_2D_3は直接的なCa pumpに対する効果を有しないと考えられた。 中心課題2:「目的」Ca pumpに対するモノクロ-ナル抗体の作成。「方法」ラット腎皮質から分離した側底細胞膜でBALB/Cマウスを1次免疫した。スクリ-ニングは部分単離したCa pump蛋白を抗原としたWestern Blot法で施行した。「結果」1回目の実験では抗体を未だ得られていない。
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Research Products
(1 results)