1990 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肺組織障害の発生とその進展機構ー培養肺細胞の力学的特性からのアプロ-チー
Project/Area Number |
01570423
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 忍 山形大学, 医学部・第一内科学, 講師 (90113951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敬治 山形大学, 医学部・臨床検査医学, 助教授 (50004685)
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Keywords | 線維芽細胞の応力一歪特性 / シリコン膜 / フィブロネクチン |
Research Abstract |
本年度は1.フィブロネクチンでcoatingした20μのシリコンゴムに成熟ラット肺の線維芽細胞をconfluentに生育させる方法の確立、2.線維芽細胞がシリコンゴムの表面に生育していることにより発生する張力の測定を計画した。しかし、成熟ラット肺から取り出した線維芽細胞はフィブロネクチンによるcoatingの仕方を種々に変えてもシリコンゴム上にconfluentに生育させる事ができなかった。線維芽細胞をラットから取り出してからの培養継代数、線維芽細胞を取り出す際のトリプシンを使用の有無、シリコンゴムを固定した実験シャ-レに細胞を移してからのパッサ-ジ間隔なども種々に変えて検討したが結果は不満足であった。シリコンゴムの表面を波型にしたり、表面に突起をつけたシリコンゴムも作成し検討を加えたが結果は同様に不満足であった。そこで、人の死胎児肺より分離した線維芽細胞で同様の検討を行った。100μg/mlの牛フィブロネクチン溶液で実験シャ-レを一晩coatingし線維芽細胞を牛胎児血清10%添加RBMIー1640培養液に10^6/mlの濃度で播種したところ成熟ラット肺線維芽細胞よりははるかに満足できるconfluentな生育状態がえられた。生育とた細胞のviabilityも充分であり、シリコンゴムの変形によっても細胞は脱落しなかった。この状態で培養液のパッサ-ジを繰り返した場合、シリコン膜上に生育した線維芽細胞を増殖させ更にconfluentな状態を作成しようと試みているが現在までのところ成功していない。この問題と同時に今後はラット胎児肺線維芽細胞帯で検討を続ける。
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