1989 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器疾患と免疫アレルギ-に関する研究:エイコサペンタエン酸及びその代謝産物のインタ-ロイキンノ産生、抗体産生、細胞障害性に及ぼす影響
Project/Area Number |
01570426
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山下 直宏 富山医科薬科大学, 保健管理センター, 講師 (30158159)
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Keywords | エイコサペンタエン酸(EPA) / ドコサヘキサエン酸(DHA) / 細胞障害性 / 抗原提示能 |
Research Abstract |
アラキドン酸のアナログであるエイコサペンタエン酸(EPA)は、アラキドン酸代謝に抑制的に働き、自らはアラキドン酸カスケ-ドに匹敵するエイコサペンタエン酸カスケ-ドを形成し、その免疫・アレルギ-や炎症に及ぼす影響が注目されている。私たちはEPAの経口投与の他、静注も可能な高純度のEPAのエマルジョン及び同じn-3系列の不飽和脂質酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)のエマルジョンを用い、以下の検討を行った。 (1)C3H/Heマウス腹腔内にEPAのエマルジョンとコントロ-ルとして大豆油のエマルジョン(イントラファット)、生食を投与した後、脾細胞のNK活性を検討したところ、コントロ-ルと比較して有意に抑制された。また、同様にして得られた脾細胞と同種異系マウス脾細胞をX線照射した後、刺激細胞として混合リンパ球培養を行い、アロに対するキラ-活性誘導を検討したが、キラ-活性はコントロ-ルと比較して有意に抑制された。一方、脾細胞をIL-2存在下で培養した後、LAK活性を検討したが、LAK活性の誘導は抑制されなかった。 (2)DHAのエマルジョン投与にて同様の検討を行ったが、コントロ-ルと比較してNK活性、アロキラ-誘導、LAK活性誘導はいずれも有為な変化は認めなかった。 (3)I-A^K+KLH反応性T細胞クロ-ンを用い、EPA及びリノ-ル酸(LA)投与マウスの脾細胞をirradiationした後、抗原(KLH)とともに加え、クロ-ンの増殖能を^3H-サイミジンの取り込みにて、またIL-2の産生をCTLL-2 cell lineを用い測定することにより、マウス脾細胞の抗原提示能(APC)に対する影響を検討した。EPA投与マウス脾細胞のAPC活性は、LA投与に比べ有意に低下した。
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Research Products
(1 results)