1991 Fiscal Year Annual Research Report
小児アトピ-疾患の予知と予防(特に新生児・乳児期における予知と予防)
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01570554
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 聖 大阪医科大学, 医学部, 構師 (90084962)
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Keywords | アトピ-発症の予知 / 羊水中オバルブミンIgG抗体 / 羊水中オボムエイドIgG抗体 / 羊水中牛乳抗体 / 胎内感作 / 経母乳感体 / 羊水中IgE抗体 / 臍帶血食物IgG抗体 |
Research Abstract |
胎児は胎児循環を通して羊水中で発育し羊水を嚏下しながら成長している。したがって胎児の皮膚、消化管および免疫系に対する羊水の影響は無視しえないと考えられる。アトピ-素因を有する胎児と素因をもたない胎児を対象として、羊水中のIgE抗体、ヤケヒヨウヒダニ(Dp)特異IgEとIgG抗体、さらに卵白,牛乳,オバルブミン(OA)とオボムコイド(OM)特異IgEとIgG抗体,本年度はさらにラクトグロブリン抗体(LG),ラクトアルブミン抗体(LA)カゼイン抗体についても検討した。 羊水中と臍帶血中総IgE抗体は全例5u/ml以下であったが,26組中羊水に17例,脩帶血13例は5〜0.25u/mlの範囲で総IgE抗体が認められた。特異IgE抗体(RAST)をDP,卵白,牛乳,大豆に対して測定したが羊水,脩帶血中には全例径陰性で認められなかった。 DP事異IgG抗体は母体血の1例,臍帶皿で2例を除き26組中の残りは20〜175GRU/mlの範囲で認められたのにも抱らず,羊水中では全例陰性であり,食関抗原とは異なる感作経路,免疫応答を示唆した。 食物抗原ではOA特異IgG抗体は母体血,脩帶皿では全例40〜110GRU/mlの範囲で陽性であったが、羊水中では26組中8例(30.8%)に認められ,両親のアレルギ-歴陽性の8例中5例(62.5%)が陽性であった。OM特異IgG抗体は母体皿では26例中16例(61.5%),脩帶血では26例中14例(53.8%)で陽性であったが,羊水中では全例陰性であった。 βLG,αLA,αカゼイン特異IgG抗体も15.3〜19.2%の羊水に認められ,吸入抗原とは異なる感作経路,免疫応答がみられた。 これら羊水中の食物特異IgG抗体の働きが,阻止抗体として働いているのか,regimic activityを有し,胎生11週,36週のヒト皮膚、消化管にある樹状細胞のFC受容体を成作しているのが追跡検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐々木 聖: "羊水中の特異IgE,IgG抗体のアレルギ-予知(アレルギ-マ-チの診断)" メディカルレビュ-(共著), 201 (1982)
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[Publications] 佐々木 聖: "羊水中のチリダニおよび食物特異IgEおよびIgG抗体" 日本アレルギ-学会のワ-クショップ記録集, 112 (1990)