1989 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴画像装置による非侵襲性血管造影法の開発ならびに臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
01570595
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平松 京一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00051350)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 祐二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50138111)
|
Keywords | 核磁気共鳴画像 / MRアンジオグラフィ- / 高速撮像法 / 腹部血管造影 / 位相コントラスト法 |
Research Abstract |
磁気共鳴画像(MRI)が血流情報を得る手段として有用であることは、スピンエコ-画像でもよく知られていることであるが、いわゆる高速スキャン画像はさらに血流に関して正確な情報を与えると考えられている。我々はまず、通常の高速スキャン(GRASS法)の画像において、血流モデルを使い良好な血流信号を得るための条件設定の確認をおこなった。その結果、繰り返し時間(TR)、エコ-時間(TE)は最小のものが適しており、flip角は10〜90°の範囲内では大きい程強い血流信号は得られるものの、位相のずれによるア-チファクトが明瞭となることがわかった。実際的には、血流が高信号を示し、かつア-チファクトが殆ど問題とはならない条件として、現在の装置ではTR22msec、TE12msec、flip角30°の画像を選択すべきと考えられた。 上記の画像を使い血流の画像を作製するためには、血流が他の組織よりもはるかに高信号の場合には、maximum intensity profileを使った画像再構成法により容易に血流画像を作製できると考えられ、実際の正常人によるデ-タでは、血流が流入する軸状断層像をもとにした再構成画像が臨床使用に耐え得る可能性が高いと考えられた。臨床例による試みもおこなわれ、この方法により、腹部、骨盤部の動静脈閉塞性疾患、上腹部の門脈、静脈系の検索には非常に有効な例が認められた。 また、phase contrast法による検討もすすめており、両者の比較により、臨床検査として有効な方法の確立のための検討が、今後の課題である。
|