1990 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモンならびにプロラクチン分泌調節に関与する神経ペプチドの役割に関する研究
Project/Area Number |
01570643
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
加藤 讓 島根医科大学, 医学部, 教授 (90030965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野津 和巳 島根医科大学, 医学部, 助手 (50144697)
古家 寛司 島根医科大学, 医学部, 助手 (30181465)
谷川 敬一郎 島根医科大学, 医学部, 講師 (20171837)
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Keywords | 成長ホルモン / プロラクチン / セロトニン / VIP / ソマトスタチン / 神経ペプチド / 下垂体腫瘍 / 薬物療法 |
Research Abstract |
下垂体成長ホルモンならびにプロラクチンの分泌は視床下部に存在するセロトニンによって促進的に調節されている。セロトニンは下垂体に直接作用するのではなく、視床下部の成長ホルモン分泌促進因子(GRF)を介して成長ホルモン分泌を促進し、プロラクチン分泌促進因子の1つであるVIPを介してプロラクチン分泌を促進する。我々はVIPの分泌に視床下部ガラニンが関与することを見出した。本研究ではセロトニンとガラニンとの関係についてラットを用いて詳細に検討した。ラットの脳室内にセロトニンやガラニンを注入すると血漿プロラクチンは用量反応的に増加した。しかしガラニンの投与はセロトニンによるプロラクチン分泌に担加的な影響を与えなかった。セトロニンのH_1受容体拮抗剤メチセルジドの前投与はガラニンによるプロラクチン分泌を部分的に抑制した。しかしセロトニンH_2ならびにH_3受容体拮抗剤の前投与はガラニンによるプロラクチン分泌に影響を与かなかった。セロトニン合成阻害剤であるパラクロロフェニ-ルアラニンの前投与はガラニンによるプロラクチン分泌を明らかに増強した。この効果はセロトニン神経阻害剤5,6ジハイドロトリプタシンの投与によって部分的に抑制された。パラクロロフェニ-ルアラニンはセロトニンによるプロラクチン分泌を増強させた。この効果はセロトニン受容体の感受性の増大によると考えられた。従ってガラニンによるプロラクチン分泌にセロトニン受容体が少なくとも部分的に関与することが示唆される。次に成長ホルモン分泌は視床下部ソマトスタチンによって抑制されるが、ソマトスタチンの誘導体である酢酸オクトレオチドはより強力かつ持続的な下垂体成長ホルモン分泌抑制作用を示した。従って視床下部ペプチドの誘導体ないしは拮抗剤による成長ホルモンやプロラクチン分泌の抑制効果は、これらの神経ペプチドが下垂体腫瘍に対する薬物療法に応用可能である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koshiyama,H.et al.: "Galanin interacts with serotonin in stimulating prolactin secretion in the rat." J.Neuroendocrinol. 2. 217-220 (1990)
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[Publications] Hattori,N.et al.: "Growth hormone responses to oral glucose loading measured by highly sensitive enzyme immunoassay in normal subjects and patients with glucose intolerance and acromegaly." J.Clin.Endocrinol.Metab.70. 771-776 (1990)
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[Publications] Hattori,N.et al.: "Grouth hormone and growth hormone binding protein in human urine." Kidrey Internat.37. 951-954 (1990)
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[Publications] Hattori,N.et al.: "Evaluation of activity in postoperative acromegaliesplasma growth hormone levels during oral glucose tolerance test,daytime blood samples and urinaly GH Aecretion." Endocrinol.Jpn.37. 629-637 (1990)
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[Publications] Ishikawa,Y.et.al.: "Effect of intrathecal administration of thyrotropin releasing hormone and its analogue,DN147,on Plasmaglucose and catecholamine levels in conscions rats." Brain Res.514. 1-4 (1990)
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[Publications] Tanigawa,K.et.al.: "Insulin release from the pancreas and fuel metabolism during late gesation in Chemically diabetic rats." Endocrinol.Jpn.37. 709-717 (1990)