1989 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄NK細胞分化におけるstromal cellの役割
Project/Area Number |
01570667
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
依田 安弘 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50110680)
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Keywords | 骨髄NK前駆細胞 / 幼若型NK細胞 / 骨髄ストロ-マセル |
Research Abstract |
本研究の目的は、NK細胞の分化機構を解明し組換型サイトカインによる悪性腫瘍の治療効果を改善することにある。我々は、以前にヒト骨髄細胞にrIL2を添加し、幼弱型NK細胞を培養する方法を開発した。ここで培養された細胞を観察するとマロファ-ジ様巨細胞の周囲にNK細胞がロゼット状に付着している事が観察された。これらの巨細胞がNK細胞の分化増殖に重要な役割を演じているものと考えられた。これらの細胞の中には骨髄微小環境を形成しているstromal cellが含まれている可能性が考えられた。そこで従来の方法により前処理したヒト骨髄細胞を培養しNK細胞および巨細胞を培養した。これらの細胞を洗浄し細胞浮遊液を作成してオ-トスメアにより塗抹標本を作成した。これをWang and Tavassoliの方法によりクマシ-ブル-を用い染色したが、stromal cellは認められなかった。 さらにヒト骨髄細胞を先の方法で前処理した細胞をMeagherらの方法に従い培養しstromal cell layerの作成を試みた。4週間培養によりcell layerが得られた。これをライト染色し細胞形態を観察するとNK細胞培養時に得られた巨細胞に類似の細胞が認められ、stromal cellの存在が疑われた。しかし先の方法でstromal cell染色したところstromal cellを確認しえなかった。 このcell layerの上で凍結保存した前処理骨髄細胞を培養したところ、幼若型NK細胞が得られ、成熟型NK細胞の比率は通常の培養法に比し有意差を認めなかった。しかし、stromal cellがNK細胞の分化に関与している可能性は否定し得ず、さらに長時間培養および種々のサイトカイン添加による培養などを試みる必要があるように思われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] YODA,Y.,ABE,T.,MORI,N.,OKA,K. KOZIMA,H.: "Transient Appearance of Intracy to plasmic CD3 Autigen in Peripberal T Lymphocytes treated with CD3 Mouoclonal Antibody(SK7/Leu4)in Vitro." Acta Hematalogica Japonica.