1989 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌の進展と間質反応に関する研究ー胃癌細胞周期からみたコラ-ゲン・コラゲナ-ゼおよび酸性ムコ多糖類の検討
Project/Area Number |
01570770
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 英二 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20198112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 淳幸 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30208219)
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Keywords | 胃癌細胞周期 / 胃癌培養細胞 / コラ-ゲン / コラゲナ-ゼ / GAG |
Research Abstract |
申請者らは胃癌発育進展機序解明の為、胃癌細胞のcell cycleから間質成分の解析を行うことに着眼し、種々の培養実験を行っている。現在までの研究進展状況は下記のとおりである。 1.胃癌細胞株MKN-28(高分化型管状腺癌由来)、KATO-III(印環細胞癌由来)に過剰チシジン、ヒドロキシウレアを用いたS期誘導同調を行い、良好な同調が得られた。同調率はそれぞれ87.0%、76.4%であり、同調後の細胞増殖動態はFlow cytometry、〔H^3〕TdRの取り込み、および細胞数の経時的変化にて確認し得たことより、この同調培養法は種々の実験に共するものと判断した。 2.線維芽細胞は切除胃健常部胃壁より初代培養しているが、doubling timeは60時間であった。 3.基礎実験として、胃癌細胞株(MKN-28、KATO-III)、線維芽細胞それぞれの増殖各期(対数増殖期、定常期)におけるコラ-ゲン合成量・コラ-ゲナ-ゼ活性を検討した。コラ-ゲン合成量、コラゲナ-ゼ活性は三者とも対数増殖期に有意に高値を示し、線維芽細胞は癌細胞に比し有意に高値であった。しかし、癌細胞間に有意差は見い出されなかった。 また、GAG(glycosaminoglycan)産生能も検討したが、測定量微量の為、現在のところ癌細胞間および増殖各期における差は見い出されていない。 4.胃癌細胞周期からみたコラ-ゲン合成量はMKN-28、KATO-IIIともにS>G_2M>G_1の順に多くS期に優位に高値であったが、細胞間に差はなかった。またコラ-ゲナ-ゼ活性もやはりS>G_2M>G_1の順に高く、S期に有意に高値であり、KATO-IIIS期のコラゲナ-ゼ活性はMKN-28に比し有意に高値であった。
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Research Products
(1 results)