1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌の抗癌剤感受性試験における線維芽細胞の影響とその応用
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01570780
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今泉 宗久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90109322)
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Keywords | 肺癌細胞 / 線維芽細胞 / 制癌剤感受性試験法 / 肺癌細胞増殖促進因子 / 制癌剤感受性影響因子 |
Research Abstract |
目的:線維芽細胞の肺癌細胞に対する影響をin vitro制癌剤感受性試験法を用いて解明し、in vivoではヌ-ドマウス移植腫瘍の発育及び臨床病態への影響を検討した。材料:肺癌継代細胞と2ヶ月以上培養した初代線維芽細胞を用いた。方法: in vitroでは肺癌継代細胞に同数の線維芽細胞あるいはその上清を混合し、制癌剤感受性試験法(MTT colorimetric assay法)にてSD活性を測定した。in vivoではヌ-ドマウスに肺癌細胞と線維芽細胞を移植してその影響を観察した。更にin vitroの線維芽細胞の影響と臨床経過とを比較した。以上の実験より次の成績が得られた。成績:(1)線維芽細胞の抗癌細胞の抗癌剤に対する感受性にはheterogeneityが認められ、肺癌細胞に比べて、その感受性は同等かやや高かった。(2)肺癌細胞と線維芽細胞(1:1)の3日間混合培養後、CDDPに対する感受性をみると、18組中11組(61%)に相互影響が認められたが、その反応は一定の傾向がなかった。(3)両細胞の混合と同時にCDDPを加えると、18組全てにこの影響を認められなかった。(4)線維芽細胞培養上清中には感受性影響因子が存在し、この活性は熱処理で失活し、放射線照射で影響されなかった。またCDDP腫瘍内濃度にも影響を与えなかった。更に(5)11患者の線維芽細胞の培養上清のうち5種類が肺癌継代細胞に対し増殖促進効果を示した。(6)in vivoでは肺癌細胞のヌ-ドマウス移植時に線維芽細胞を同時に混ぜると生着率は向上し、増殖速度も亢進した。(7)肺癌細胞に対し増殖促進効果を示した線維芽細胞を有する5症例では、臨床的に比較的早期より広範なリンパ節転移が認められた。結語:線維芽細胞の肺癌細胞に対する影響は個々の症例により異なり、ある種の線維芽細胞は肺癌細胞の増殖促進因子と別に制癌剤(特にCDDP)感受性影響因子を有すると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 榊原正典: "制癌剤感受性試験における培養肺癌細胞に対する線維芽細胞の影響" Proceedings of the Japanese Cancer Association(48th Annual Meeting October,1989 Nagoya)Japanese Journal of Cancer Research. 161 (1989)
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[Publications] 内田達男: "肺癌リンパ節転移における線維芽細胞の関与の可能性について" 第7回日本呼吸器外科学会総会(東京). (1990)