1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570847
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山本 真 北里大学, 医学部, 教授 (60050332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤江 裕道 北里大学, 医学部, 助手 (20199300)
南澤 育雄 北里大学, 医学部, 講師 (10146459)
馬渕 清資 北里大学, 医学部, 講師 (70118842)
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Keywords | 靱帯損傷 / 自動診断 / ロボット / コンプライアンス制御 / 6軸力センサ- |
Research Abstract |
本研究は、従来徒手で行われてきた動揺性検査の装置としてロボットア-ムを導入した靱帯損傷診断自動システムの開発研究の中核をなすものであった。ロボットを導入する際に第一に解決しなければならない問題はロボットの誤動作による事故を防ぐための安全設計である。そのためには、機械的、電気的な安全装置とともに、センサ-の信号によるフィ-ドバック制御が必要である。また、医師の徒手による場合と同様の「手探り」状態が必要であり、やはりセンサ-信号によるフィ-ドバック制御が必要となる。こうした柔軟性をロボットに与える制御方法を一般にコンプライアンス制御と呼んでいる。コンプライアンス制御のためには、荷重センサ-の性能の向上、およびソフトウェアの開発が必要である。本研究では、既設のロボットに本予算で購入した6軸力荷重センサを組み込み、同じく本予算で購入したマイクロコンピュ-タ-に接続して、これらの問題解決のためのコンプライアンス制御を目指した。 1.既設のロボットのア-ム部に、新規設計製作した脛骨の固定器具を組み込んだ。2.屍体より採取した膝調節を実験台に固定し、膝関節の動揺性試験を行った。前後方向、内外反方向それぞれについてあらかじめ設定した運動をロボットア-ムにより構成し、そのときの運動方向以外の方向に生じる荷重およびモ-メントの大きさを、6軸力荷重センサ-によりモニタ-した。3.モニタ-した信号を基にロボットが運動方向を自動的に変化させるようにマイクロコンピュ-タ-のソフトウェアを改変した。4.コンプライアンス制御の実現のため、ロボットに異常動作を与え、それが修正されるようなソフトウェアを開発した。5.正常ヒト膝関節による予備実験を行った。コンプライアンス制御によりロボットの運動がスム-ズに行われていることを総合的に評価した。
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[Publications] 馬渕清資: "多関節ロボットの動物実験への応用" バイオメカニズム学会誌. 10. 78-83 (1986)
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[Publications] 山本真: "臨床医学の展望「整形外科」" 日本医事新報. 3328. 43-50 (1988)
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[Publications] 馬渕清資: "イヌ膝関節の剛性と引っ張り速度の関係" 整形外科バイオメカニクス. 9. 95-99 (1988)
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[Publications] 山本真: "変形性関節症とその治療" 綜合臨床. 37. 1927-1928 (1988)
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[Publications] 藤江裕道: "多関節ロボットの動揺性試験への応用-イヌ膝関節による予備実験-" 整形外科バイオメカニクス. 9. 105-110 (1988)
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[Publications] 藤江裕道: "ロボットによる靱帯損傷の診断" 臨床スポ-ツ医学. 6. 1309-1314 (1989)
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[Publications] 山本真: "髄内釘による骨折手術-理論と実際-" 南江堂, 242 (1989)
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[Publications] 山本真: "膝の外科" 金原出版, 561 (1989)