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1989 Fiscal Year Annual Research Report

ラット耳下腺腺房細胞の分泌果粒の自己貪食現象-その形成メカニズムと性質について-

Research Project

Project/Area Number 01571002
Research InstitutionMatsumoto Dental University

Principal Investigator

佐原 紀行  松本歯科大学, 口腔解剖学第2講座, 講師 (70064699)

Keywordsラット / 耳下腺 / 腺房細胞 / 分泌果粒 / 自己貪食
Research Abstract

ラットを絶食すると、耳下腺腺房細胞内に分泌果粒の自己貪食像が多数観察されるようになる。本研究ではこのような分泌果粒の自己貪食胞の形成メカニズムについて、特にその貪食胞の膜系の形成に形質膜が関与するのかについて、形質膜特異タンパクをマ-カ-として用い、免疫組織化学的に検討した。
絶食48時間以上すると、腺房細胞に変化が出現した。形態学的な変化に先立ち、ライソゾ-ム酵素である酸性ホスファタ-ゼ活性を持つ小胞や管状の構造物が多数認められた。これらの構造物は、分泌果粒に密接な関連性を持ち、一部では分泌果粒を完全に取り囲んでいる管状の構造物も観察された。また、これらの構造膜は、免疫組織化学的に、腺腔側形質膜に特異的に局在する酵素、ジペプチジルペプチダ-ゼ(DPP)IVに陽性であった。しかし、側部および底部形質膜に特異的に局在するATPア-ゼについては反応を認めることができなかった。
絶食時間がさらに長くなると、分泌果粒を2〜5個含有した自己貪食胞が細胞の基底出に出現し、形態学的に顕著な変化が認められるようになった。自己貪食胞は酸性ホスファタ-ゼ陽性であり、DDPIVも膜および内部に局在していた。しかしATPア-ゼの反応は自己貪食胞にほとんど観察されなかった。
以上の結果より、絶食時に出現する耳下腺腺房細胞の自己貪食胞は、分泌活動が低下しているが、常時行なわれると思われる形質膜、特に腺腔側形質膜のエンドサイト-シスにより細胞内に取り込まれた膜が分泌果粒膜と融合し、その後1次ライソゾ-ムにより水解される可能性を示唆している。しかし、自己貪食胞のすべてがDPPIVに陽性を示したわけではないので、従来考えられている、ゴルジ装置の膜、1次水解小体膜、ERの膜などが自己貪食胞の膜を形成する可能性も考えられた。

URL: 

Published: 1993-03-26   Modified: 2016-04-21  

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