1989 Fiscal Year Annual Research Report
培養骨芽細胞内カルシウムイオンとその状態変動の蛍光色素法による研究
Project/Area Number |
01571018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助手 (00144775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 美恵子 岡山大学, 歯学部, 教務員 (40180575)
谷口 茂彦 岡山大学, 歯学部, 教授 (50034161)
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Keywords | 骨芽細胞 / ガン細胞 / カルシウムイオン / ホルモン / 成長因子 / 蛍光色素 / 蛍光顕微測光 |
Research Abstract |
本申請研究は、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1の初期石灰化過程の分子機構の究明のために、細胞内Ca^<2+>の存在様式の動態、アシドホスファタ-ゼ・アルカリホスファタ-ゼの作動とCa^<2+>のinfluxとの関連性、ホルモン・成長因子刺激に対応したレセプタ-介在のCa^<2+>のinflux機構の有無などを蛍光色素法により明らかにすることを目的としている。 申請初年度(平成元年度)には、蛍光分光光度計を用いたFura-2での細胞内Ca^<2+>濃度測定のための測定セル容量の微量化を試みた。我々の目的とする測定系は浮遊細胞系ではなく吸着細胞系であるので、この微量化にはいくつかの問題点はあったけれども、カバ-グラス上に培養した細胞の表面をホルモン・成長因子等を含む試料液が流れる様に工夫したフロ-型セル(内容量:0.1ml)を完成させた。また、このフロ-型測定セルは蛍光分光光度計用だけでなく、蛍光顕微測光システム用の測定セルとしても使用できる。その試作された測定セルのテストにおいて、ヒト上皮性癌細胞株A431の上皮成長因子(EGF)刺激とウシ胎児血清(FCS)刺激に応答して現れる細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が観測できた。前者のEGF刺激に応答した上昇は抗EGFレセプタ-モノクロナ-ル抗体によって抑制されたが、後者のFCS刺激に対応した上昇はそのモノクロナ-ル抗体によっては抑制されなかった。その結果は第27回日本生物物理学会年会(1989年10月7日:東京大学教養学部)にて発表した。このテストに引き続き、MC3T3-E1細胞での同様な研究を行ったところ、この骨芽細胞系ではEGF刺激に応答した細胞内Ca^<2+>濃度の有意な上昇は培養後2日・4日・10日・20日・35日のどの増殖相においても起こらなかった。現在、その他のホルモン・成長因子等による骨芽細胞内のCa^<2+>濃度の変動を調べると共に一連の蛍光色素の中から最も適当な色素の選択も行っている。
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Research Products
(1 results)