1990 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギのセンダイウイルス感染の病変形成にパスツレラ等の細菌が与える影響の研究
Project/Area Number |
01580048
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Research Institution | The institute of public health |
Principal Investigator |
町井 研士 国立公衆衛生院, 衛生獣医学部, 主任研究官 (20150170)
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Keywords | ウサギ / センダイウイルス / パスツレラ菌 / スナッフル |
Research Abstract |
センダイウィルス(SV)ウサギ一匹当り約10^4TCID_<50>/25μl(経鼻接種:in)と、Bordetellabronchiseptica(Bb)一匹当り約10^7個(in)の混合感染実験では、Bb接種後3日にSVあるいはSV接種後3日にBbを接種した場合、SV,Bb単独接種群と比較してSV,Bbの回収量に差はなく、病変にも差は認められなかった。Pasteurella multocida(Pm)にとSVの混合感染実験では、Pm接種後3日にSVを接種したときと同様に、SV接種後3日にPm接種、あるいはSVとPmを同時に接種してもSVの増殖の促進は認められなかった。 従って、今回使用したウイルスおよび細菌の組合せ、接種量では、SVの増殖の促進は認められない、と結論できる。 しかし、従来より知られているパラインフルエンザウイルスの免疫抑制作用という見地からすると、興味ある結果が得られた。すなわち、PmとSVの混合感染実験において、PmとSV混合接種群ではPm単独接種群に比較して長期間鼻腔から菌が回収された。また、病理組織学的検索ではPm接種後17日で、混合接種群の個体でのみ好中球を主とした強い細胞浸潤や鼻甲介の萎縮等がみられた。さらに、Pm接種後8週では、混合接種群でのみ菌が回収された。以上の結果から、PmとSVの混合接種の系は、Pm単独接種では再現の難しいウサギのスナッフルのモデルとして有用となる可能性が示唆された。
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