1989 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸筋のグリコ-ゲン利用は持久的な運動遂行能力を制限するか?
Project/Area Number |
01580130
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
玉木 伸和 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (60106292)
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Keywords | 呼吸筋 / 筋グリコ-ゲン / 持久的運動 / ラット |
Research Abstract |
1 研究目的 本研究の目的は、持久的運動時に横隔膜を主とした呼吸筋においてグリコ-ゲン貯蔵が減少するかどうか、そして減少が主働筋としてどの程度の減少率なのかを、全筋でのグリコ-ゲン減少および各筋線維タイプ別のグラフト減少パタ-ンから検討することである。 2 研究方法 実験動物として、15週齢のウィスタ-系雌ラット40匹を使用した。各ラットの最大酸素摂取量を小動物酸素摂取量測定用トレッドミルによって測定した。その後、各ラットを各々10匹の4群に分け、1群を対象群とし、他の群を運動負荷群とした。運動負荷群のラット各々10匹には、最大酸素摂取量の70%に相当する走行強度を、各々20、40および60分間負荷した。運動後、直ちにエ-テル麻酔下で横隔膜、内外肋間筋を摘出した。摘出した筋の一部はグリコ-ゲン濃度の定量分析に用い、他は筋線維タイプの分類のための染色およびグリコ-ゲン染色を実施した。グリコ-ゲン染色濃度は、映像解析装置を用いて16段階の染色強度に分類した。 3 研究結果の概要 全筋として呼吸筋のグリコ-ゲン貯蔵量は、20分の運動で半分近くまで減少した。そして、運動時間の延長にともなって減少する傾向を示したが、その減少量は余り多くなく、指数関数的な減少であった。このような傾向は、主働筋である大腿直筋と同様のものであった。各筋線維タイプ別にみた場合、まず最初にSO線維においてグリコ-ゲン貯蔵の減少が認められ、次にFOG線維で減少がみられた。FG線維のグリコ-ゲン減少は、60分間運動した群で認められたが、大きなものではなかった。このような減少パタ-ンは、大腿直筋と同じであった。
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