1991 Fiscal Year Annual Research Report
NGFでリン酸化が変化する、PC12細胞中のタンパク質の分離と生理機能
Project/Area Number |
01580201
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
葛谷 博磁 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所・分子生物学研究部門, 教授 (60083424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池亀 守 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所・分子生物学研究部門, 助手 (00176083)
藤田 興 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所・分子生物学研究部門, 講師 (90173426)
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Keywords | PC12細胞 / 核タンパク質 / 神経成長因子(NGF) / 単クロン抗体 / 免疫細胞化学 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ラット褐色細胞腫由来のPC12細胞に神経成長因子(NGF)を作用させると、核で30kDaタンパク質(発見者によりSMPと命明)のリン酸化が促進する。前回までに、このタンパク質と考えられる抗原を認識するモノクロ-ン抗体を作製し、この抗体が神経冠由来細胞あるいは組織を特異的に認識する事を認めたが、今回さらに検討を追加した。 (1)マウスアストロサイトの間接免疫蛍光染色 3日令のラット脳より分離したアストロサイトを、冷メタン-ルで固定してからハイブリド-マ上清を用いて染色した。核周囲部のみが染色されるもの、弱いけれども同時に核内が染色されるものもあり、細胞の状況により染色部位が異なった。 (2)ラット脳の酵素抗体染色 約5週令のオスWistar系ラットをZamboni液で灌流固定後脳を摘出し、後固定後凍結、薄切してハイブリド-マ上清を用いて染色した。小脳のプルキンエ細胞が染色され、その大部分は細胞質が染色されたが、核が染色された細胞も認められた。大脳皮質にも染色される細胞が少数認められた。アストロサイトは染色されるが、何故脳の細胞の染色が少ないかは不明である。 (3)NGFで処理されたPC12細胞の間接免疫蛍光染色 PC12細胞を培養しNGFを6日間作用させた。対照としてPC12細胞に対して弱い分裂促進作用を有する上皮成長因子(EGF)を作用させた。NGF作用後4日目および6日目では核周囲部が、対照に比べて明らかに強く染色された。EGFを作用させた細胞では対照と比べて、染色性に差は認められなかった。EGFは、PC12細胞に対して分化因子であるNGFよりは弱いが、SMPに対してリン酸化促進作用を有する。クロ-ニングした抗体が認識する抗原が、PC12細胞の分裂と分化に何等かの関わりがあるものと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 池亀 守,藤田 興,坂本 秀生,葛谷 博磁: "ラット褐色細胞腫PC12細胞のリン酸化核タンパク質の免疫組織学的研究" 藤田学園医学会誌. 15. 159-162 (1991)
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[Publications] 池亀 守,藤田 興,坂本 秀生,葛谷 博磁: "PC12細胞の30KDa核タンパク質の性状と分布" 神経化学. 31. (1992)