1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580214
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
熊谷 エツ子 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助手 (80145341)
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Keywords | 職業被曝 / 低線量放射線被曝 / 診療放射線技師 / ATL細胞 / 染色体異常 / ヒトT細胞白血病ウイルス |
Research Abstract |
低線量放射線の人体に及ぼす影響を明らかにするために、診療放射線技師についてhuman T cell lymphotropic virus typeー1(HTLVー1)抗体を調べた。さらに、HTLVー1抗体陽性例については、HTLVー1感染細胞(ATL細胞)及び染色体分析を行い、次の結果を得た。 1.経験年数が1年以上の診療放線技師99名中、HTLVー1抗体陽性例が3例(3.0%)みられた。3例中1例(No.1)の末梢血にはATL細胞が50%観察された。この技師の白血球数は8.5×10^3/μ1、Caは9.2mg/dlであり、当大学病院で慢性型ATLと診断されている。しかし、残り2例の技師(No.2、No.3)の末梢血にはATLは細胞は見いだせなかった。一方、対照群にもHTLVー1抗体陽性例が96例中4例(4.2%)存在したが、全例ATL細胞は観察されなかった。 2.No.1の技師では、染色体分析細胞329個中、構造異常を示す細胞が7個(2.13%)検出された。主な染色体異常は断片、二動原体、転座、欠失であるが、クロ-ンはみられなかった。No.2の技師では、染色体分析細胞314個中、構造異常を示す細胞が5個(1.59%)検出された。主な染色体異常は転座、欠失であるがクロ-ンはみられなかった。No.3の技師および対照群の染色体は分析中である。
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Research Products
(1 results)