1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580214
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
熊谷 エツ子 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助手 (80145341)
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Keywords | 職業被曝 / 低線量放射線被曝 / 診療放射線技術 / ATL細胞 / 染色体異常 / ヒトT細胞白血病ウイルス抗体 / EBウイルス抗体 / サイトメガロウイス抗体 |
Research Abstract |
診療放射線技師におけるhuman T cell lymphotropic virus typeー1(HTLVー1)と放射線被曝との関係を、HTLVー1抗体、および染色体異常を指標として調べた。また、転座染色体と癌遺伝子存在部位との関連を調べるとともに、同じヘルペス科ウイルスであるEBウイルス(EBV)とサイトメガロウイルス(CMV)抗体の動態から低線量放射線の長期被曝の影響を追求した。その結果、 1.構造異常を有する染色体が放射線技師(53名)には2.5%、対照群(36名)には1.6%の頻度で観察された。構造異常では転座染色体が最も多く検出され、その頻度は技師群が対照群に比べて有意に高かった。相互転座染色体の中ではt(7;14)の頻度が最も高かったが、技師群と対照群との間には有意差はみられなかった。7番染色体と14番染色体間の相互転座例の大多数が7q32ー36、14q11ー12の部位で部分交換をしていた。成人T細胞性白血病(ATL)では14q11ー12に切断点を有する異常が報告されているが、今回対象としたHTLVー1抗体陽性例(放射線技師99名中3例、対照群96名中4例)にはクロ-ンとしての異常はみられなかった。また、ski、abl、myb、mos、myc、Nーmycなどの癌遺伝子存在部位での転座例も若干みられたが、クロ-ンとしての異常は観察されなかった。 2.経験年数が長い放射線技師の中に放射線の影響と考えられるEBVに対する液性免疫応答異常の疑われるヒトがみられたが、CMV抗体量と低線量放射線被曝量との間には特定の関連はみられなかった。CMV抗体陰性の放射線技師群にはEBVーVCA/IgGおよびEA/IgG抗体異常陽性例はほとんどみられなかったが、CMV抗体異常陽性の技師群ではEBVーVCA/IgGおよびEA/IgG抗体異常陽性例がそれぞれ30.8%、53.8%認められた。 3.EBV、CMV抗体が異常陽性を示したヒトの中和に関する糖蛋白分子については検討中である。
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Research Products
(1 results)