1989 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴および核反応検出法による金属中のヘリウムの拡散と析出の研究
Project/Area Number |
01580220
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 英雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30134042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
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Keywords | ヘリウム / 注入 / 核磁気共鳴法 / 核反応検出法 / 拡散 / バナジウム / ヘリウムキャビティ |
Research Abstract |
本研究では、イオン加速器を用いて金属中に注入したウリウムの挙動をパルス型核磁気共鳴法、電顕および核反応検出を用いて系統的に調べ、ヘリウム原子の格子間、置換型存在状態、格子欠陥や不純物との相互作用、拡散および析出機構を明らかにすることを主な目的とした。 本年度においては、次の2つの研究を行った。 (1)核磁気共鳴法によるヘリウムの測定 Extrionイオン注入器により90keVに加速されたヘリウム・3イオンをタンタル箔に5.8x10^<16>He/cm^2注入した。金研に設置されたパルス型核磁気共鳴装置を用いて負荷磁場1.34テスラ、周波数43.54MHzの条件下で測定した。^3Heによると思われる共鳴エコ-がごくわずか観測されたが、さらに検討が必要じある。 (2)電顕による注入ヘリウムの分布状態の測定 コルトロンイオンガンにより加速された10KeVのエネルギ-をもつヘリウム-4をバナジウム試料に室温で注入した。テヌポ-ルにより薄膜化した後、200kV電顕により照射組織の観察を行なった。薄膜化した試料にイオン注入すると注入に伴い薄膜に大きな歪が導入されることがわかったため、このように注入後に片面を薄膜化する手順を採用した。本研究で照射面を汚染の原因となる絶縁塗料を用いずに薄膜化する方法を開発した。ヘリウムキャビティのサイズを超高真空中でのアニ-ルの関数として測定し、アニ-ル温度の増加とともにキャビティが大きくなることを確認した。今後、平成2年後はサイズ分布の変化のアニ-ル温度依存およびサイズ分布に及ぼす合金添加の影響について調べる。
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