1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580290
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Research Institution | Kyoto Bunkyo Jr. College |
Principal Investigator |
安本 義正 京都文教短期大学, 児童教育学科, 教授 (10029895)
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Keywords | 宇宙空間 / 衝突現象 / 破壊現象 / 付着現象 / クレ-タ-形成 |
Research Abstract |
宇宙空間の衝突現象の科学教材化を目指し、衝突現象を再現する実験装置を試作し、充分な性能が達成された。ここではこの装置を用い、破壊、付着、クレ-タ-形成の実験を行った。結果は下記の通りである。 1.破壊現象:プラスチック製飛翔体を石膏円盤に衝突させた結果、板厚が5mmで、衝突速度が10.7m/sと比較的低速度のときは、円盤中心から三本の割れが生じて破壊した。衝突速度が大きくなるほど、割れの数も多くなるが、さらに速度を増すと同心円状の割れが生じ破壊する。 2.付着現象:同じ材質の物体同士の衝突、すなわち飛翔体と被衝突体が粘土で出来ている場合の付着実験を行った。飛翔体の方は粘土を球状にしたものを用いた。被衝突物体の方は、衝突面を平面にし、衝突角度と飛翔体速度をいろいろ変えて付着の条件を求めた。衝突速度が小さい場合は、付着の条件としては衝突角度が大きくなる。衝突速度が大きくなると、付着するための衝突角度は小さくなる。さらに速度が大きくなっていくと、あるところで、付着するための衝突角度が大きい方に転ずるようになるかもしれない。 3.クレ-タ-形成:クレ-タ-形成のためのモデル実験として、プラクチック飛翔体を用い、月や地球上の地面に相当するもとして、粘土及びアルミナの2種類を用いてクレ-タ-形成実験を行った。飛翔体の衝突速度が大きくなると、クレ-タ-の直径も大きくなるが,粘土の場合、その直径は実験範囲で、飛翔体の径の約2倍であった。周辺は表面上にとび出る形になる。アルミナの場合、クレ-タ-の出来方が、粘土より顕著である。衝突角度を変えてクレ-タ-形成の様子をみると、衝突の入射方向の径の方が横方向のそれより大きい。さらに、クレ-タ-の径は実験範囲で、飛翔体の径の7〜8倍にも達する。衝突速度が大きくなると、長径と短径の比が1に近づく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 安本 義正: "宇宙空間における衝突現象の科学教材化に関する研究ー飛翔体加速装置の試作と性能テストー" 京都文教短期大学研究紀要. 29. 95-98 (1990)
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[Publications] 安本 義正: "宇宙空間における衝突現象の科学教材化に関する研究ー破壊,付着,クレ-タ-形成実験ー" 30. (1991)