1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01614501
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 亨 北海道大学, 薬学部, 教授 (00001032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 典昭 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (40209820)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
|
Keywords | がん化学療法 / ヌクレオシド / アリ-ルアルコ-ル / 代謝拮抗剤 / 構造-活性相関 / ヌ-ドマウス |
Research Abstract |
がん治療においてすぐれた化学療法剤の開発は重要な課題である。我々は、従来の単純代謝型拮抗剤とは異なり、核酸構成分のヌクレオシドとしての形は維持しながら、全く異なる化学反応性をこれに付与して、それがDNA、RNAのご合成をその鎖伸長のステップで選択的に阻害することが出来るような化合物を創製することを目的としている。このような化学反応性を付与する方法として、ヌクレオシドの糖部または塩基部に不飽和炭素統合を導入することが有用であることを見出したので、それらの構造一活性相関及び作用機序の解明を目指した。糖部に不飽和基を有する2^1-deoxy-2^1methylidenecytidine(DMDC)は、ara-Cと同様に2^1-deoxycytidine のアナロ-グである。Ara-Cは白血病には著効を示すが固型がんには全く効果がない。しかしDMDCは、in vitroでは、血液ガン、固型がん由来細胞の両者に対して効果を示した。種々の誘導体を合成し活性発現に対する構造要求性を検討したところ、DMDCの糖部2^1、3^1-位のアリ-ルアルコ-ルシステムが重要であることが明らかになった。更にin vitroでの検討の結果、DMDCはヌ-ドマウスに移植したヒトメラリ-マ(SK-Mel-28)に著効を示すことが明らかになった。なおこのがんに対しては既存のara-C、5-FUは全く効果を示さなかった。一方、塩基部に不飽基を導入した5-エチニル-1-β-D-リボフラノシルイミダゾ-ル-4-カルボキサミド(EICAR)も各種ヒト固型がん由来の細胞に対して増殖仰制活性を示した。EICAR)のマウスがん細胞FM3Aを用したヌフレオチドプ-ルに対する影響を調べたところ、GTP及びdGTPの枯渇が観察された。このことはEICARがリン酸化されプリンヌクリオチド生合成上重要なIMPデヒドロゲナ-ゼを阻害していることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Akira Matsuda: "Synthesis of 2′,3′-dideoxy-3′-methylidene thymidine and 2′,3′-dideoxy-2′,3′-didehydro-3′-methythymidine:Deoxygenation of the allyl alcohol system in 3′-deoxy-3′-methylidene-5-methyluridine" Heterocycles. 29. 25-28 (1989)
-
[Publications] Tohru Ueda: "Synthesis and biological actinity of branched chainーsugar nucleosides." Nucleosides & Nuclestides. 8. 743-752 (1989)
-
[Publications] Yuichi Yoshimura: "Synthesis of 6,6′-cyclo-5′,6′-dideoxy-1ー(β-D-allofuranosyl)-cytosine and related nucleosides." Chem.Pharm.Bull.37. 660-664 (1989)
-
[Publications] Keiji Yamagami: "Antitumor Properties of 2′-deoxy-2′ーmethylidenecytidine.A new 2′-deoxycytidine derivative" Cancer Res.