1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01649005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村橋 俊一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029436)
岩澤 康裕 東京大学, 理学部, 教授 (40018015)
内本 喜一朗 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
金岡 祐一 北海道大学, 薬学部, 教授 (50001029)
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Keywords | 複合系不斉配位子 / 不斉アルドール反応 / ナトリウムイオンチャンネル / 遷移金属錯体触媒 / ニオビウムモノマー固定触媒 / ニオビウムダイマー固定触媒 / ニトリル活性化触媒 |
Research Abstract |
本研究では金属系からなる複合系および生体複合系を解析し、これに基づいて複合系を設計、構築して有機反応の高次制御を行うもので、次の研究を検討した。1.光学活性フェロセニルホスフィン配位子を分子修飾して導入したアルキルアミノ側鎖とイソシアノ酢酸エステルの相互作用をNMRスペクトルで詳細に調べ、それに基づいてイソシアノメチルスルホンとアルデヒドの不斉銀(I)触媒アルドールを見出した。2.生体系イオンチャンネルのトキシン結合部位を同定するため、Na^+チャンネルと特異的に作用する光反応性μーコノトキシン誘導体の合成を行った。Ca^<++>チャンネルの光ラベルについても検討している。3.金属とヘテロ原子の相互作用を作用する立体化学制御に関してCrCl_2を用いる1,1ージクロロー2ーアルケンとアルデヒドの炭素一炭素結合反応並びにランタナイド金属を用いるαーチオケトンの反応で高立体選択性が達成された。4.固体触媒表面の反応制御を検討するためNbをSiO_2やTiO_2表面にモノマーとして固定化することに成功し、それを用いてエタノールの脱水素反応を行い、温和な条件で脱水素反応する新しい反応pathを認めた。また、NbダイマーのSiO_2表面への固定化についても検討し、Nbモノマー触媒とは異った触媒反応を見出している。5.ニトリル官能基を選択的に活性化することが出来る新規な複合系金属錯体の開発を目ざし、低原子価ルテニウム錯体がニトリルと特異的に配位錯体を形成して、そのαー位CーH結合を強く活性化することを見出した。このルテニウム錯体を触媒を用いてニトリル類のマイケル反応やアルドール反応など有用反応の開発に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshihiko Ito: "NMR Studies of the Gold(I)Catalyzed Asymmetric Aldol Reaction of Isocyano acetate" Tetrahedron Lett.(1990)
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[Publications] 畑中保丸: "タンパク質の構造と機能解析のための有機試薬" 有機合成協会誌. 46. 1041-1051 (1989)
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[Publications] Kazuhiko Takai: "Stereoselective Addition of αーChloro Allylic Chromium Reagents to Aldehydes" Tetrahedron Lett.30. 4389-4392 (1989)
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[Publications] Takeshi Naota: "RutheniumーCatalyzed Aldol and Michael Reactions of Activated Nitriles" J.Am.Chem.Soc.111. 5954-5955 (1989)
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[Publications] Yasuhiro Iwasawa: "SelfーAssisted Dehydrogenation of Ethanol on Irorganic OxideーAttached NbーMonomer Catalysts" Proc.9th Internat.Congr.Catal. IV. 1842-1849 (1988)